知られていないハイブリッドの矛盾
最近のガソリン価格の異常な高騰を背景に、
「トヨタ・プリウス」をはじめとする「ハイブリッドカー」の受注残が
凄いそうです。
しかし、ハイブリッドカーを作るための資源を採掘するために
環境破壊が進んでいることはあまり知られていません。
ハイブリッドカーを作るためには、稀少金属である
「ディスプロシウム」や「テルビウム」などが不可欠だそうです。
ガソリンエンジンと組み合わされる高性能モーターに内臓される
希土類(レアアース)磁石のおかげで大幅な軽量化が実現されました。
希土類磁石はデジタル家電や携帯電話・パソコンに至るまであらゆる
分野で応用されているため爆発的に需要が伸びています。
その資源の殆どが中国からの輸入に頼っているため、採掘時に
中国の鉱山現場で急速な環境破壊が進んでいるそうです。
昔は手押し車で山から工場まで運んでいたのですが、人件費の上昇で
採算が合わなくなり、現在では現場に「硫酸」をかけて侵出採取するといった
日本では考えられない方法がとられています。
1000トンの鉱石から採取できるレアアースは僅か2トンだそうです。
残り998トンの汚染された土砂は、再処理されること無く河に廃棄
されているそうです。
あまりに環境への負荷が大きいこの問題を放置していいのでしょうか。
トヨタは来年春に新型プリウスを発売予定ですが、生産増に向け、07年比
70%増の月間4万台を計画しています。
いくら環境に良い車を走らせても、生産過程で酷い環境破壊を
しているのであればいかがなものかと思います。
技術大国日本の本領発揮でこの矛盾点が解決できれば、
本当の意味でエコカーに進化できるのではないかと思います。
私たち住宅業界でも、大手ハウスメーカーは、工事中や
部材の生産工場での「ゼロエミッション」や「CO2排出削減」をうたって
いますが、入居した後、何十年に渡って冷暖房などの光熱費を
極限まで落とせる建物を建っているのでしょうか?
各室に1台づつのエアコン、真夏に25度設定しても
効きの悪いリビングや2階寝室・・・。
25年~30年程度で建て替えをしなければならない構造。
それに伴うCO2排出と産業廃棄物の発生。
時代の流れに乗るためにエコエコと言うのは簡単ですが
本当の意味のエコとは何かをもう一度考えてみて頂きたいと思います。
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