メルセデスに見習う設計思想

2007/10/17

  先日、私の友人がメルセデス・ベンツ社より車のオーナーに届けられる本を、私に送ってくれました。

  その本にあったのですが、メルセデスの車の設計思想の一つに

  「シャーシはエンジンより速く。」

  という考えがあるそうです。

  これは高性能なエンジンで車を速く走らせる為には、そのエンジン性能を超える構造強度を持つ

  高性能なシャーシがなければ、車を速く安全に走らせることが出来ない。

  ということなのだそうです。

  何よりも、安全の為にはシャーシの構造強度が大切だという考えです。

  この考え方は、建築にも通じると思います。

  住宅もそこに暮らす人の安全・安心を考えると構造の強度が第一ではないでしょうか。

  人をひきつけるにはデザインが大切ですが、構造の強度に支障をきたすデザインは造るべきではない

  と思います。

  構造はデザインより、優先されるべきだと考えています。   その制約の中から、真に美しいデザイン

  を創りだすことこそ真の創造ではないかと思います。

 

  フェラーリのデザインに於いても、一本のラインが車の空力などにどの様に影響を及ぼすのかを

  考えてデザインされるそうです。  実用に供するもののデザインはその物が人とどの様に関わるかと

  いうことでそのデザインには制約があり、単にデザイナーの自己表現としての実用に供することのない  

  作品のデザインとは一線を画すものではないかと思っています。

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