家づくりブログ

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2019-06-14

家は自然が相手であり、常に老朽化や劣化のリスクにさらされ続けています。

そこをなるべく耐久性が高くなるよう、素材や構造を検討しています。

そんなコスミックの家がどんな風に歳を取っていくのか、我が家も含めて

いつも気になっています。

 

そんな中、平成9年築、つまりコスミック創業年に建てられた一邸のお宅が、

とある事情で解体されることになりました。

 

我々としては残念な思いもありますが、いざ解体を迎えるとなると、

「こんな機会は無い!!」ということで、お施主様にお願いして、

解体前に建物の劣化調査をさせて頂くことになりました。

 

現地に到着したら、まず雨漏りや腐食が起こりやすいベランダから壁を剥がします。

※外壁の色が分からないように画像を一部加工しています。

スタッフだけでは心もとないので、心強い味方、吉川大工に参加してもらいました。

忙しいのにすみません。

 

外壁(軽量気泡コンクリート板)も、その下の透湿防水シートも、合板も断熱材も綺麗で、劣化が無いように見受けられました。

また水切り板金も当時からSUS304ステンレスを使用しているので、錆びの一つもありません。

 

次に、ベランダの外周側の笠木と外壁材を剥がしました。

ここも湿気や腐食が見られやすいと業界紙などで報じられている箇所です。

内部に湿気や腐食は見られず、綺麗でした。

ただ、側面の壁内のシートに劣化はありませんでしたが、笠木のすぐ下の透湿防水シートの熱劣化が進んでいました。

笠木は金属であり、また南面のベランダの笠木は屋根と同様に昼間は日の出から日没まで日光が当たり続けるシビアな場所です。

アルミの笠木に覆われている部分なので防水上のリスクは低い場所ですが、自然の驚異の厳しさが見られた部位でした。

 

 

ベランダと言えば底板(床にあたる部分)の下も、湿気の侵入で結露・腐食する場合があります。

ということで表面のFRP防水とその下のモルタルをサンダーでカットすると、きれいなシートと合板が顔を出しました。

一般的にはダメージの大きい事例の多いベランダ周辺でしたが、シートの熱劣化以外はほぼ劣化が見られませんでした。

 

ベランダに居るついでに、脚立に上って屋根をチェックしました。

ルーフィングは新品同様とはいきませんが、切ったり裂いたりして見ると、まだ粘りが残っており、防水機能が損なわれている様子はありません。木部も腐っていませんし、板金も同じくSUS304なので錆びや穴もありません。

 

それから、私が気になっていた窓です。

部屋内側から窓枠を外して、構造と窓枠(サッシ)との接点部をチェックします。

当時はアルミサッシの間に樹脂を挟み込んで熱を伝える量を減らした「サーマルブレイク」という構造のサッシを使っていました。

アルミ枠は構造内部で結露するリスクがあると言われますが、上の写真の通り、最も結露しやすい北側の窓で、周囲の構造材にはシミも腐食も見られませんでした。他の方位の窓も同様でした。

 

次に屋根裏です。

当時も屋根の二重化(二重野地板)で、その下に30倍発泡ウレタン吹付という現在とほぼ同様の屋根構造をしています。

それを裏から破壊して、通気層を確認。

雨の侵入や、湿気が溜まって結露した形跡はありません。

断熱材も痩せたり崩れたりという状態はありませんでした

 

最後に、ユニットバスの裏の外壁部を外から剥がします。

ここも湿気が通っているので内部結露が起こっていたら木材が腐食している可能性があります。

剥がしてみると、木材に腐食は無く、合板を止めている釘は表面は錆びていますが構造に問題が起こる「肉痩せ」は無く、構造を留めている帯金物(ハリケーンタイ)も表面に少し白錆びが浮いている程度でした。断熱材の剥がれも無いようです。

 

外壁の一番近くでしゃがんでのぞき込んでいるのは、創業当初から社長と今のコスミックガーデンを築いてきた工務部長の平尾です。自身が手掛けた創業当初の住宅がどのような状態になっているか、気になります。

それにしても写真の通り大勢で家を取り囲んで壁を壊している状況は異様だったようで、この光景を見ていたご近所の方が不審に思い、お施主様に電話されたそうです。

 

今回の調査には、コスミックのスタッフも半分以上が参加していますが、実は、社外の方が三名、興味を持って参加して頂きました。

一人はいつも断熱施工と気密測定でお世話になっているマルフジフォーム工業の藤井専務。

そしてあとのお二人は、住宅の金属部品(いわゆるカナモノ)の日本2位の製造メーカーH社の社長さんと社員の方。この社長さんは、世界中の劣化事例を調べており、様々な建物の結露や腐食、風害、水害などの情報をお持ちです。

今回、「あそこが怪しい」「こういう場所がまずい」と結露や腐食していそうな部位を指定して頂きながら剥がしていきましたが、問題が見つからなかったので、「つまらなかった(笑)けど、20年以上前にここまでの建物を造られているのは本当にすばらしい」とほめて頂きました。

当社の藤井代表としては「耐久性を高くするよう検討して造って来たが、実際に確認できて嬉しい」という感想だったようです。

 

手前味噌ですが、暑い中、自分たちの造っている家が間違っていないかを確認するために半分以上のスタッフが参加してここまでやる、真面目な会社だと思います・・・

P.S.
私としては、イチ施主としても安心して2倍嬉しい調査でした。

posted by 岡本 | コメント(0) | 2019-06-14 - 19:41

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