木のすばらしさ。

2007/11/06

  先日、新聞を読んでいて、ある大手住宅メーカーの広告が目につきました。

 そこには、その会社の鉄骨構造の強さがアピールされていました。

 鉄は確かにすばらしい素材で、中高層の建物には切り離すことの出来ない建材です。

 しかし、低層の住宅を造るには、 私たちは「木」という素材が最良だと考えています。

 

 よく、木造の家は良いですよというときに、木は昔から使われている素材だからとか、

 風合いが良いからとか、情緒的なことが言われています。

 しかし、「木」は科学的にも素晴らしい特性を持った素材です。

 総合性能において、「木」をこえる素材は他には無いでしょう。

 

 強度においては、同じ重さの鉄やコンクリートに比べて、圧縮強度でも、引っ張り

 強度でも優れています。

 断熱性能においては鉄の約600倍、コンクリートの10倍の断熱性能を有します。

 そのために、木造の建物は極端な寒冷地で無い限り、外断熱にする必要がありません。

 

 次の「木」の素晴らしい特性は鉄のように比熱が小さくないので、コンクリートには

 劣りますが熱を蓄えることが出来ることです。

 建物の蓄熱量が大きいと外部の温度変化による、建物内部への影響を小さくすることが

 できます。

 次に「木」の特徴的な性能である、調湿性能を挙げておきます。

 「木」は湿度によって水蒸気を吸放出します。

 そのため、部屋の内部の湿度を一定に保つことができるのです。

 それでは、火災に対してはどうでしょうか、木は確かに燃えます。

 けれど、木の表面が燃えて、炭化層がある厚みになると、酸素の供給が妨げられ

 燃えにくくなります。

 それに対して、「鉄」は燃えませんが、ある温度に加熱されると、飴のように曲がって

 しまいます。

 ですから、「木」が特に火災に弱いとは一概には言えません。

 どちらの構造も防火構造にする必要はあると思います。

 これだけ書いただけでも、「木」のすばらしい性能を理解して頂けると思います。

 私は、ある人から言われました。

 「人間は木のような素材は作れても、木を創ることは出来ない。」

 

 自然の与えてくれた、この素晴らしい「木」という素材を私たちは

 「大切に」、「大切に」使わせて頂こうと思っています。

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