家づくりブログ

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岡本の記事

2019-10-15

少し時間を頂いて、茨城県つくば市の筑波研究学園都市の中にある「国立研究開発法人建築研究所」というところまで行ってまいりました。

この施設は、住宅によらず建築に関わるあらゆる研究が行われている、国土交通省の機関です。

東京駅からさらに50分ほどかかるつくば駅は遠かったです。

駅のお蕎麦屋さんで昼食をとっていたら、隣の席のお子様連れのご夫婦が、日本語と英語で交互に会話していました。お子様の耳を慣らすためかも・・・さすが学園都市です。

 

駅からのロケットのようなものも見えます。

 

この駅からさらにタクシーで15分ほど行くと、岡山大学のような広~~~い敷地の建築研究所があります。

 

ここまで来た目的は、LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅の見学会への参加です。

LCCMとは、材料の製造過程から、住宅の寿命が終わってからの廃棄まででCO2排出量の総計がマイナスになる住宅、ということです。詳しくはこちら。

 

もう建築して10年ほど経過しています。

木が生い茂っていますね・・・

 

温熱環境・CO2削減に振り切った建物なので、この際、防水や構造強度等の野暮なツッコミは無しにします。

 

冬の日射取得と蓄熱を考えて、南面はほとんど全面が窓。でもガラスはCO2排出量が結構多いとのことで、高性能ながらガラスが薄い、真空ペアガラス(スペーシア)が使われています。

日射が入るベランダ的空間の床は蓄熱のため磁器タイル。内側もサッシがありウィンターガーデンに似ていますが、内側は断熱ではなく室内用の引き戸です。理由は後程。

 

1階、2階とも東西の天井付近に光を取り込む窓があります。冬の日射取得を考えてと思いますが、夏も朝・夕方は真横から日射が入るのでは・・・

2階の南面も全面ベランダ的空間が広がり、日射を最大限に活用したい気持ちが伝わってきます。夏の日射はブラインドに見える部材で室内に入れないようになっています。

こちらの写真が分かりやすいです⇒フォトギャラリー

 

熱がこもった際に逃がす換気塔も2か所ついていました。

窓どうやって開けるの?と思ったら、壁にハンドルがありました。

 

実は1階から2階へ上がる階段は、南側のウィンターガーデン的な空間についています。

冬の夜にはこのベランダの内側の戸も閉めるのですが、それでこの空間が寒くなりすぎると1階から2階へ上がる際にヒートショック発生の可能性があるので、内側は断熱しなかった、とのことでした。

Q値が1.98, C値が1.2で、部分間欠空調を想定している建物ということなので、現在C値0.5以下で実践している各地の工務店の高気密高断熱住宅の方が温度分布や実際の生活感は上だと思います。

CO2排出量を収支ゼロにするという点でも、マイナス要素は太陽光発電のみとなっており、この建物は太陽光パネルが7.98kW搭載されているので、太陽光パネルが大きければ収支ゼロにできるという側面もありなかなか評価の難しい建物でした。

posted by 岡本 | コメントする | 2019-10-15 - 18:49
2019-09-14

数年前からコスミックパウダーの実証実験などで公衆衛生に詳しい先生方とご縁を頂いておりますが、今回、電磁波に関する環境の測定や対策の実践をされている方のお話を聞きに、広島に行ってきました。

 

この手の分野は、事象が目に見えないこと、因果関係を証明しにくいこと、被害を自覚できる方が少数派であること、原因が産業側にある場合に認められにくいこと、商売先行で対策品などを販売されるケースがあるなどの背景から、なかなか慎重にならざるを得ないのですが、今回は信頼できる関係の方からのご紹介で、実践者にお伺いすることができました。

 

広島にある、住環境測定協会本部にてセミナーを受講しました。

 

WHOでは電磁波過敏症という症状があることは認められており、対策品はドイツのものが多いとのこと。

化学物質過敏症もそうでしたが、我が国は「怪しい」レベルのものはなかなか認められません。ドイツはこういったものは「怪しい」という時点で認められたり対策が進められたりといった対応が早く、住環境関連では温熱環境をはじめとしてよく見本にされています。

 

会長の原田さんは昔、単身(通訳さんを連れて)ドイツに渡り、電磁波対策関連のメーカー等で1ヶ月勉強して回ってきた方です。

「真面目にやってきたけど、なかなか商売にはなってないよね」と言いながら、若いころからの不動産業の利益をつぎ込んで、ドイツの様々な測定器を買って試したりしながら、独自にノウハウを貯めてきたそうです。

 

ネットで探すと、「電磁波測定器」一つとっても何千円から何十万、何百万というものもあります。どの国のどのメーカーのものが良いか、色々な機材を使用してみないと分かりません。

 

 

実際にいくつか使わせてもらいました。

 

人体の電圧を測定する機械を持ってアースを取ったシートの上に乗ったり、どこが電圧が強くなるかウロウロ。

 

結局、下のフロアーの天井に大きな照明器具がついているところが一番値が大きかったようです。

これは電気配線から来る電界(中学校で習った右ネジの法則)を測定していますが、他にも携帯やWIFIの電波を高周波の測定器で測ったり。測定器を見ながら電源を入れたり切ったりすると目に見えないものがたくさん飛んでいることが良く分かります。

 

で、これが身体に悪いのかどうかという議論になったとたん、利害関係者が色々おられたりして難しい状況になってくるのですが、とにかく電気的に数値の低い環境の方が快適、高い環境で調子が悪い、という方がおられる以上は、そういった環境を作る手段を知ることは有用と思います。

 

具体的な対策はざっくりとしか聞けませんでしたが、炭素を含んだペンキや電導性のあるシートで住空間を囲んでアースを取る手段が一般的のようです。

が、屋外からの電波を防ぐ以外に屋内の配線や電気器具自体が発生源になるため、配線・設備の種類や配置、間取り、住まい方までも影響しそうで、1軒の住宅にきちんと対策を施すのは設計・作業も含めて簡単ではなさそうです。

 

家の中は、極論、冷蔵庫を残してブレーカーを落とせば電磁波的には安眠できそうな気もしますが、空調、換気、照明、AV機器、電話機、スマホの充電、などなど、夜でも電源が落ちると都合が悪いものっていっぱいありますよね。いかに電気に頼っているものが多いのかと思ってしまいます。

 

自覚がある電磁波過敏症の方だけでなく、疑わしきは排除しておきたいという方にも、寝室だけは電磁波を少なく、などの方策もあり得ると思いますので、この分野はもう少し実践的に取り組んでいきたいと思います。

 

posted by 岡本 | コメントする | 2019-09-14 - 15:44
2019-08-26

たまにサーモカメラでの建物の撮影に岡山に来られる東京大学の前准教授(著書:エコハウスのウソ等)ですが、今年は冬、夏とも来岡されました。

 

倉敷市加須山の完成見学会とバッティングしたので、私は8/24,25とも見学会を抜けて前先生と9軒の建物の撮影ツアーでした。

 

麦わら帽子にジーパンという待ち合わせで見逃してしまう姿で登場。

 

色々な方にご協力いただき、東向きの窓とエアコンとの関係を可視化したり、

 

コスミックの見学会現場にも少し立ち寄ったり、

 

世にも珍しい「床冷房」のお宅を体感したり、

 

岡山名物のマスカットなのにサーモカメラで撮影するとピオーネに見えたりと、なかなか楽しい移動距離4百キロ弱、1日半の撮影ツアーになりました。

 

正直、猛暑の中を撮影したかったのですがギリギリ30℃という気温だったのが少し物足りませんでしたが、それでも雨や曇りの予報だったにも関わらず何とか撮影できる程度の晴れ~薄曇りでした。

「やっぱり神様はいますね!!」などと言いながら丸二日間の調査でした。

撮影することによる発見だけでなく、前先生から色々な話を聞けるのでいつも勉強になります。その内容は、またセミナーなどで共有させて頂きます・・・

posted by 岡本 | コメントする | 2019-08-26 - 18:40
2019-08-09

オスモカラーという塗料をご存知でしょうか。
ドイツ生まれの木の表面のための塗料です。

コスミック・ガーデンでは、床表面をウレタンやガラスで仕上げるほかに自然塗料で塗る場合にはこのオスモカラーを使います。窓枠やコーナー材など、無垢の木を使っている場所で塗装する場合もあります。

そんなオスモカラーを販売しているオスモ&エーデル(株)の宮脇さんが当社で実演して頂きました。

オスモカラーと一言で言っても、室内用、屋外用、ワックスが含まれているもの、1回塗り用、2回塗り用など色々種類があります。

次々にページをめくりながら専門的なご説明がありました。ここでは詳細は割愛させて頂きます。

 

では実際に塗ってみます、ということで刷毛に付けてトントン、と板の上に塗料を付けます。

あれ、そんな少ないんですか?と思うくらいの量でもしっかり伸びます。

 

塗料の種類にもよりますが、素材の木目が透けて見えるくらいの塗りもあれば、種類を変えたり2度塗りをしたりして木目がほとんど見えなくなる塗り方もあります。様々な塗料を塗り分けて頂きました。

こうして並べてみると違いが分かりますが、一つだけ出されると分からないかも・・・

 

これは分かりやすいですね。手前側だけ2度塗りしています。
最近は「木の目があまり出てない方がいい」という方も多いです。

 

自然塗料は水に弱い、というイメージがありますが、オスモカラーは自然塗料の中でもコーティングがしっかりしていて水に強い方です。また透湿性はあるので、木が湿気を含んでも徐々に蒸散します。

 

宮脇さん「自然塗料というと、一度塗って拭き取るイメージがありますが、オスモカラーは拭き取りません。その方がコーティングが切れず全体にかかります。DIYでご自身で塗られる場合は、取扱説明書をしっかり読んでいただき、メーカー推奨の使い方をしてください。」とのことでした。

メンテナンスには専用のクリーナー材なども販売されています。

詳細はこちらへ → オスモカラーのオフィシャルサイトへ

 

 

posted by 岡本 | コメントする | 2019-08-09 - 21:02
2019-06-14

家は自然が相手であり、常に老朽化や劣化のリスクにさらされ続けています。

そこをなるべく耐久性が高くなるよう、素材や構造を検討しています。

そんなコスミックの家がどんな風に歳を取っていくのか、我が家も含めて

いつも気になっています。

 

そんな中、平成9年築、つまりコスミック創業年に建てられた一邸のお宅が、

とある事情で解体されることになりました。

 

我々としては残念な思いもありますが、いざ解体を迎えるとなると、

「こんな機会は無い!!」ということで、お施主様にお願いして、

解体前に建物の劣化調査をさせて頂くことになりました。

 

現地に到着したら、まず雨漏りや腐食が起こりやすいベランダから壁を剥がします。

※外壁の色が分からないように画像を一部加工しています。

スタッフだけでは心もとないので、心強い味方、吉川大工に参加してもらいました。

忙しいのにすみません。

 

外壁(軽量気泡コンクリート板)も、その下の透湿防水シートも、合板も断熱材も綺麗で、劣化が無いように見受けられました。

また水切り板金も当時からSUS304ステンレスを使用しているので、錆びの一つもありません。

 

次に、ベランダの外周側の笠木と外壁材を剥がしました。

ここも湿気や腐食が見られやすいと業界紙などで報じられている箇所です。

内部に湿気や腐食は見られず、綺麗でした。

ただ、側面の壁内のシートに劣化はありませんでしたが、笠木のすぐ下の透湿防水シートの熱劣化が進んでいました。

笠木は金属であり、また南面のベランダの笠木は屋根と同様に昼間は日の出から日没まで日光が当たり続けるシビアな場所です。

アルミの笠木に覆われている部分なので防水上のリスクは低い場所ですが、自然の驚異の厳しさが見られた部位でした。

 

 

ベランダと言えば底板(床にあたる部分)の下も、湿気の侵入で結露・腐食する場合があります。

ということで表面のFRP防水とその下のモルタルをサンダーでカットすると、きれいなシートと合板が顔を出しました。

一般的にはダメージの大きい事例の多いベランダ周辺でしたが、シートの熱劣化以外はほぼ劣化が見られませんでした。

 

ベランダに居るついでに、脚立に上って屋根をチェックしました。

ルーフィングは新品同様とはいきませんが、切ったり裂いたりして見ると、まだ粘りが残っており、防水機能が損なわれている様子はありません。木部も腐っていませんし、板金も同じくSUS304なので錆びや穴もありません。

 

それから、私が気になっていた窓です。

部屋内側から窓枠を外して、構造と窓枠(サッシ)との接点部をチェックします。

当時はアルミサッシの間に樹脂を挟み込んで熱を伝える量を減らした「サーマルブレイク」という構造のサッシを使っていました。

アルミ枠は構造内部で結露するリスクがあると言われますが、上の写真の通り、最も結露しやすい北側の窓で、周囲の構造材にはシミも腐食も見られませんでした。他の方位の窓も同様でした。

 

次に屋根裏です。

当時も屋根の二重化(二重野地板)で、その下に30倍発泡ウレタン吹付という現在とほぼ同様の屋根構造をしています。

それを裏から破壊して、通気層を確認。

雨の侵入や、湿気が溜まって結露した形跡はありません。

断熱材も痩せたり崩れたりという状態はありませんでした

 

最後に、ユニットバスの裏の外壁部を外から剥がします。

ここも湿気が通っているので内部結露が起こっていたら木材が腐食している可能性があります。

剥がしてみると、木材に腐食は無く、合板を止めている釘は表面は錆びていますが構造に問題が起こる「肉痩せ」は無く、構造を留めている帯金物(ハリケーンタイ)も表面に少し白錆びが浮いている程度でした。断熱材の剥がれも無いようです。

 

外壁の一番近くでしゃがんでのぞき込んでいるのは、創業当初から社長と今のコスミックガーデンを築いてきた工務部長の平尾です。自身が手掛けた創業当初の住宅がどのような状態になっているか、気になります。

それにしても写真の通り大勢で家を取り囲んで壁を壊している状況は異様だったようで、この光景を見ていたご近所の方が不審に思い、お施主様に電話されたそうです。

 

今回の調査には、コスミックのスタッフも半分以上が参加していますが、実は、社外の方が三名、興味を持って参加して頂きました。

一人はいつも断熱施工と気密測定でお世話になっているマルフジフォーム工業の藤井専務。

そしてあとのお二人は、住宅の金属部品(いわゆるカナモノ)の日本2位の製造メーカーH社の社長さんと社員の方。この社長さんは、世界中の劣化事例を調べており、様々な建物の結露や腐食、風害、水害などの情報をお持ちです。

今回、「あそこが怪しい」「こういう場所がまずい」と結露や腐食していそうな部位を指定して頂きながら剥がしていきましたが、問題が見つからなかったので、「つまらなかった(笑)けど、20年以上前にここまでの建物を造られているのは本当にすばらしい」とほめて頂きました。

当社の藤井代表としては「耐久性を高くするよう検討して造って来たが、実際に確認できて嬉しい」という感想だったようです。

 

手前味噌ですが、暑い中、自分たちの造っている家が間違っていないかを確認するために半分以上のスタッフが参加してここまでやる、真面目な会社だと思います・・・

P.S.
私としては、イチ施主としても安心して2倍嬉しい調査でした。

posted by 岡本 | コメントする | 2019-06-14 - 19:41
2019-04-13

最近は、真備の修繕物件の対応以外は

新ホームページのリリースに向けて

事務所にこもってパソコンやスマホと

にらめっこしています。

 

それを見かねてか、スタッフの内藤が

気密測定の立ち合いに誘ってくれました。

 

当社では、建物の形ができ、断熱施工が完了したのちに

中間気密測定を行っています。

 

 

いつもお願いしているのは、断熱施工と同じ

マルフジフォーム工業さんです。

到着したら早速玄関周りの養生が始まります。

 

後日施工で塞ぐ予定のさや管や、換気口の配管なども

一旦テープでふさぎます。

 

気密測定の目的は、構造躯体の想定外のわずかな隙間を

測定し減らすことですが、こんな大穴があちこちに

あっては、小さい隙間の測定になりません。

 

一通りテープ張りが終わるころには、測定器も

セッティングが完了していました。

 

この機械で、建物内の空気を外部に排出し続けることで、

建物内が負圧になります。機械の前のフィルムが内側に

膨らんでいるのがわかりますでしょうか。

この時点で約30Pa差圧がついている状態です。

 

隙間だらけの建物だと、ここまでフィルムも膨らみません。

 

そして、ここまで差圧を付けて機器の数値を見て

「ちょっと大きな隙間がまだあるようですね」と

のこと。あちこち探すと、結局フィルムのテープに

少し剥がれがあっただけでした。

 

この日は外気温が低く、機械の測定値が安定するまで

少し時間がかかりましたが、待っていると

「C値0.25です。大きな隙間はありません。」

という結果が。

 

このお宅が約130㎡なので、家全体の隙間の合計が

32.5c㎡(5cm×6.5cmの四角の面積分)の隙間が

あるということになります。

 

ここで終わっても構わないレベルですが、差圧を掛けた

まま、念のため大きく漏れている場所がないことを確認します。

 

玄関周りに少し気流があるので、気密テープでふさぎます。

 

何か所か調べてテーピングを行いましたが、

ここまでくると、「あちらを塞ぐとこちらから入ってくる」

といったモグラたたき状況になります。

 

作業した後の再計測結果は「C値0.24」でした。

大きな隙間がないので、わずかな隙間ばかりの中で

目立つところを塞ぐと、他から入ってきているのでしょう。

 

マルフジの藤井専務は中四国地方の多くの工務店の

断熱・気密工事の請負や気密測定・指導もしています。

 

多くの経験からの言葉は「時間と手間をかければもっと

高い数値は出せるが、これ以上やってもメリットがない。

一定の気密が出れば、あとは欠陥になるような箇所が

無いこと。気密測定はそれを探すのが目的。」というもの。

ここを誤解されると、うちはC値0.1以下だ、やれ0.08だと

いう話になってきます。

 

それより、この中間気密測定の状態から完成時までに

穴を開けたり機器を取り付けたりする場所があるので

そのあたりで欠陥を出さないように気を付け、問題なく

高気密のままお引渡しすることの方が重要です。

 

 

ネット上では、色々な人が好きなように書いていて

正確だったり間違っていたりと様々な情報が流れて

いるため、それだけでは何が正しいか判断ができません。

 

書籍にはよいものもありますが、特定の会社でしか

建てられなくなるよう誘導するような広告本も

たくさん混ざっています。

 

そして国の基準にも頼れない現状では、ご自身で実際の

建物や工事中も見て、何が正しいのかを判断できる

モノサシを手に入れて頂くしかないと思います。

 

 

 

 

posted by 岡本 | コメントする | 2019-04-13 - 00:00
2019-03-04

CTLという木材をご存知でしょうか。

詳しくはこちら → CLTとは

 

真庭市を中心に話題になっているCLT、

弊社もたまに説明会に行ったりとウォッチして

いたのですが、先日、真庭市からいつもお越しの

ご検討中のお客様に

「CTLの建物の見学会があるので来ませんか?」

とお誘いを頂いて、社長の藤井と見てきました。

こういった、売る・買うの関係を越えたお話は

とても嬉しく思います。

 

真庭に到着したら、図々しくもお客様の車に乗せて頂き

たどり着いた「真庭森林組合」さんの新しい事務所。

こちらがCLTをふんだんに使った建物ということです。

(外部はガルバリウム鋼板とCLTではない化粧用の板です)

 

森林組合さんということで、前の敷地には見渡す限り丸太の山が。

 

杉、ですよね。ものすごい量でした。

 

 

建物の中も壁紙などは無く、CLTが露出した状態の内装でした。

 

 

どちらかというと、CTLは化粧材ではなく構造材です。

この建物に柱や梁はほとんどなく、27cm幅くらいの

ごっついCTLの合板パネルを立てて、その壁で支える

ような構造になっています。

窓枠部分を測ると30cm越えてます。

ホントにごついですね。ちなみにCLTの外側に

断熱材が3cmから5cm程度ついているそうです。

 

内部の壁もこのゴツさです。

厚さ15cmのパネルが2枚合わせで立っています。

 

窓は両面樹脂のAPW330でした。パチパチパチ。

 

 

パネル同士の連結部には、ごっつい金物が。

釘の本数もすごいです。

パネルが固いので、連結部も相当強くないと破断しますよね・・・

 

床面では、CLTをボルトで締めた後を隠しています。

 

 

水回りです。さすがに床が木のままはまずいので、

樹脂のシートを張られています。

 

あと悩ましいのは、現場で簡単に切ったり削ったりできるような

材料ではないので、電気配線などは当然ですが埋めることは

難しい(大変手間がかかる、構造に欠損が出る)というのが

あります。

構造材を見せているという意味では、鉄筋コンクリートの

建物で壁がコンクリートのままで電線が埋められないと

いうのと同じですから、当たり前と言えば当たり前ですが・・・

 

CLTの実績の発表会などを2,3回聞きに行ったことが

ありますが、なかなか広がりにくい、補助金頼みになる背景として

「CLTをアピールするには、クロスなどを貼らずに 表面に見せるように使う」

→「見た目の良い材料を使いがちになるので、コストが上がる」

→「構造材としてはコストが高く選びづらい」

→「コストを下げると見た目が悪くアピールしづらい」?

というなかなか難しい循環に陥っていると聞いたことがあります。

 

また、CLTを表面に出すことで、良い効果もありますが

木の臭いが強くなる可能性もあります。

この点でも、見せるバランスが問われるところかと思います。

 

岡山県の産業として真庭市さんを中心に頑張っておられますし、

何とかコストとのバランスが取れてモノになって欲しいと思います。

 

posted by 岡本 | コメントする | 2019-03-04 - 00:00
2019-01-28

名著「エコハウスのウソ」の著者、

東京大学の前(まえ)准教授をご存知でしょうか。

壁や床など物質の温度が分かるサーモ映像、

 

これを超広角・高画質で撮影できる

サーモカメラを持って、1,2年に1度

岡山に来られる、熱い先生(おとこ)です。

今回も、色々なジャンルの建物の温熱環境を

調査されたいということで、新築・リフォーム・

戸建てから賃貸まで、いろいろと撮影して

回ることになりました。

 

前先生から「こんな建物の撮影をしたいのですが」と

依頼というか問い合わせをいただくので、

取引先の方・知人・OB施主様だけでなく、

過去に見学会に来られたお客様まで図々しくも

お願いして回り、ほぼ前先生の要望を満たす

8邸を朝8時から夜8時まで撮影して回りました。

 

お休みの日に撮影にご協力いただいた皆様、

ホントに本当に誠にありがとうございました!!

 

中には先生の著書を見えるところに置いていた方も。

自宅に放射温度計がある時点で素人ではありませんが・・・

実は当社を検討いただいている一般の方のお宅でした。

 

このように建物を探し撮影許可を頂いて

撮影して回るのも、今回で3回目になります。

 

ただこれまでと違うのは、カメラの解像度です。

以前のカメラの映像からぐっと解像度が上がり、

詳細部位まで見やすくなりました。

 

上が以前のもの、下が今回のカメラです。

縮小しているので分かりにくいですが、

かなり解像度が上がっています。

 

そして解像度の他にもう一つ、一般的なサーモカメラと

異なるのは、超広角であることです。

 

コスミックにある、スマホに装着する安物のサーモカメラ

FLIR ONE (前先生「オモチャ」)では狭い画角しか

撮影できません。

 

上がFLIR ONEで撮影、下が前先生の撮影です。

 

上のFLIR ONE の映像は、温度の色だけでなく、

同時に普通のカメラでも撮影し、その映像を

重ねて何とか部屋であることが分かるようにしています。

(よく見ると温度と無関係の境界線が沢山入っています。)

 

このように情報が落ちやすいサーモ画像ですが、

下の前先生のカメラは温度の色だけで部屋であることが

一目瞭然です。前先生曰く「空間を撮ること」ができています。

 

値段も100倍以上違いますからネ・・・

 

前先生はしょっちゅうあちこちでセミナー講師や

コメンテイターとして呼ばれており、多くの場で

「高性能を当たり前に」「寒い家を建ててはならない」

といった切れ味の鋭い本質的な内容の発信を続けています。

 

 

大学の授業や研究生の指導もしながら、日本の

住環境の改善のために東奔西走されている前先生から

依頼されるので、こちらもそのための材料になればと

思い、できる限りの協力をさせて頂いています。

 

撮影された画像はコスミックでも使わせて頂けるので、

セミナーなどで住宅の性能の理解を深めて頂くための

教材として活用させて頂きたいと思います。

(昨日1/27の何でもゼミには間に合いませんでしたが、

2月のゼミではご紹介できるかと思います。)

 

自撮りの記念写真

(左:ご協力いただいたO様  真ん中:前先生)

posted by 岡本 | コメントする | 2019-01-28 - 00:00
2019-01-24

今年も年始からあれこれやっております。

 

先日は新たなITに関する取組について

名古屋の工務店さんまで社長と一緒に

打ち合わせに行ってきました。

内容はまだナイショということで・・・

写真もありません。

 

味噌の鍋焼きうどんが美味でしたが

こちらも写真を取り忘れてしまいました。

 

 

昨日はまた川崎医大の大槻教授のところへ。

一昨年からメンバーに加わっていた、

コスミックパウダーの新たな検証・検討の

打ち合わせでした。

 

こちらもまだ分析・考察が続いており、現時点で

お伝え出来る結果はありませんが、なかなか

いい感じの進捗のようです。

記念写真↓

 

コスミックの建てる家をよりよくすること、

他社さんの家が良くなるためのお手伝いが

できること、そんな動きが今年もいろいろ

ありそうです。

 

また最近は新築以外のリフォームにも首を

突っ込んで(引きずり込まれて?)います。

 

蕎麦屋の出前で1年ずれたホームページ更改も

やっとゴールが近づいて来ているような・・・

来ていないような・・・

 

 

相変わらず「岡本さんは何の担当ですか?」

と聞かれた時の回答に困る日が続きそうです。

 

posted by 岡本 | コメントする | 2019-01-24 - 00:00
2018-12-06

コスミック・ガーデンでは

全棟気密測定を行っていますが、

測定するタイミングは、建物の構造ができて

断熱・気密施工を一通り終えた時点です。

(中間時気密測定などと言われます)

「コスミックガーデン 気密測定」の画像検索結果

 

断熱材や構造の継ぎ目が見えている状態で、

室内の空気を大きな排気ファンで外に出し、

気圧差による外気の流入量から隙間面積を

算出します。

 

中間時に測定する理由は、ここで気圧差がついた

状態で家中を調べることで大きな隙間があった

場合に塞ぐなどの改善作業ができるからです。

 

対して、完成時気密測定は行っていません。

測定に数万円かかる上、完成後の改善は

ほとんどできないので、中間時の検査以降に

品質を確保するためには、その後の工事で

大きな隙間を作ってしまうような施工がない

よう目を光らせていくしかないためです。

 

とは言えしばらく完成検査を行っていないので

品質確認のための抽出検査として久しぶりの

実施となりました。

 

建物は、週末に完成見学会を控えて美装も

終わっているY様邸です。

 

約束の時間に行くと、既にセッティングを終えて

もらっていました。

 

測定して頂くのは断熱施工をお願いしている

マルフジフォーム工業の藤井専務です。

長年断熱施工と気密測定をお願いしている

エキスパートで、とても熱心な方です。

気圧が下がっている室内でも熱く語ってくれます。

 

このバズーカ砲のようなファンで空気を排出ながら

流量・気圧差を測定して隙間面積を出すところまで

全部コンピュータがやってくれます。

コスミック・ガーデンでは内外気圧差が50パスカル

程度になります。(隙間が多いと気圧差がつきません)

 

ただ、気密性能が高ければ高いほど結果は不安定に

なりやすく、正しい結果を導き出すまでの測定回数や

結果の判断については何千回と測定しているノウハウが

あります。

 

※少しマニアックな話ですが、上の写真の測定器は

ちょっと型が古いもので、一番上の写真の型が新型

です。「たまたまメンテナンスに行ってて古い方に

なってしまいました!!」と残念がっていました。

 

室内が負圧になっているので、窓に取り付けている

ビニールシートが内側に押されてパンパンです。

 

さて、結果ですが、この建物の中間時気密測定のC値は

0.29(c㎡/㎡)

でしたが、これに対して完成時気密検査のC値は

0.30(c㎡/㎡)

と、ほぼ同じでした。

延床面積が106㎡ですから家全体の隙間が32c㎡

程度(8cm×4cmくらい)ということになります。

中間時からの施工不良等による漏気はほぼ無いと

考えてよいと思います。

 

ちなみに前提を申しますと、トイレやレンジフードなどの

排気ファンは全てテープでふさいでおり、中間時とほぼ

同条件にしています。

建物内が負圧になると若干外気が入ってくるためです。

どのメーカーにも「高気密対応」ファンがありますが

電源OFF時のシャッターの気密性能は完璧ではありません。

 

対して給気口は優秀でした。

閉じた状態で負圧になっても、気流は感じません。

ほぼ完全に閉じられているようで優秀でした。

エアコンのダクト付近もキッチリ塞いでもらっている

ので、空気の流入は感じられませんでした。

 

ここまでくるとイジメのようですが、窓まわりも

チェックします。境界部分はOKでしたが、ロックを

かける戸先錠のレバーまわり。機構上隙間があるため

若干の外気の流入があります。

 

・・・というのが全体の様子です。

あちこちに隙間があるような書き方をしていますが、

これら全部を合わせて家全体の隙間が32c㎡で

C値0.3(c㎡/㎡)と問題ない結果です。

 

あとは隙間風が入っている場所や集中して漏気が

起こっていないかなどを一通り確認して、測定を

終えました。

 

この週末の完成見学会は寒くなりそうです。

ぜひこの高気密もY様邸を体感してみてくださいね。

 

 

posted by 岡本 | コメントする | 2018-12-06 - 00:00