大規模修繕について

大規模修繕を回避すればライフサイクルコストは最も安くなる

日本人の平均寿命と、注文住宅を購入する人の平均年齢から考えると、購入後約50年はその住宅に住むことになります。修繕費は、みなさんが想像する以上に大きな費用が発生しますが、新築時に対策をしっかりしておけば、その費用を大きく抑えることができます。

高気密高断熱による家は、電気代の削減だけが注目されがちですが、家は、屋根や外壁、キッチンなど、百万円単位の大規模修繕が必要な個所がいくつもあります。また、換気や空調設備、バルコニーなど意外にお金が必要な個所もあるため、何にどれだけメンテナンスが費用が必要を事前に把握して、準備をしておきましょう。最初にお金をかけたほうが、結果的に安いことがよくあります。

特に屋根と外壁は、場合によっては10~15年毎に百万円単位の修繕費が発生します。瓦やステンレス屋根など、初期費用は高くとも、ライフサイクルコストで見ると安く収まる建材を使用することをお勧めします。

35坪の家
(4LDK)
①初期費用
(本体+施工)
およそのメンテナンス内容②40年間の
メンテナンス
費用総額
①+②ライフ
サイクル
コスト
屋根スレート瓦120万表面防水塗装(約70万/15年毎)
貼替(約150万/30年毎)
220万340万
ガルバリウム屋根150万表面防水塗装(約70万/15年毎)、貼替(約180万/30年毎)250万400万
ステンレス瓦170万0万170万
陶器瓦150万0万150万
外壁モルタル外壁200万表面防水塗装(約80万/15年毎)
貼替(約300万/30年毎)
380万580万
ガルバリウム外壁250万表面防水塗装(約80万/15年毎)
貼替(約350万/30年毎)
510万760万
タイル仕上げ300万補修(約50万/20年毎)貼替(約400万/40年毎)
※タイルは劣化しないが、ベースのサイディングの変形等からの貼替を想定
500万800万
窯業系サイディング200万防水塗装/コーキング(約150万/15年毎)、貼替(約300万/30年毎)
※当社採用の高耐久サイディングではなく一般的な低コストのものを想定
450万650万
ALC(高耐久)250万防水塗装/コーキング(約180万/30年毎)180万430万
乾式レンガ外壁500万補修予備費(約50万/30年毎)50万550万
セラミック製外壁(ツィーゲルⅠ・Ⅱ500万補修予備費(約50万/30年毎)50万550万
バルコニー屋外バルコニー防水パン:部品交換/シーリング(約15万/15年毎)、防水層:防水塗装(約20万70万70万
空調各部屋市販エアコン50万ルームエアコン4台本体交換(50万/10年)200万250万
大型全館空調100万サーキュレーター、デジカント、設備メンテナンス等(80万/20年毎)、ダクト清220万320万
換気ダクトレス第1種熱交換72万(6台)フィルター交換(15000円/3年)、本体交換20万/20年59.5万131.5万
第1種熱交換100万熱交換素子(約2万/5年)、フィルター交換(5000円/年)、本体交換50万/20年156万256万
ダクト式第3種50万フィルター交換(5000円/年)、本体交換20万/20年、ダクト掃除5万/10年80万130万
ダクトレス第3種12万(6台)フィルター交換(5000円/年)、本体交換10万/2040万52万
※当社にて調査した内容です。すべてのケースが当てはまるわけではありません

チェックポイント!

屋根材には何を使っていますか?メンテナンスのタイミング・内容・費用は?
例:表面塗装、増張/葺替など

屋根は最も過酷な環境。なるべくメンテナンスの必要がない素材を選びましょう。

壁材には何を使っていますか?メンテナンスのタイミング・内容・費用は?
例:表面塗装、タイル洗浄、コーキング、増張/葺替

生涯メンテナンスの必要がない、100年の耐久性を誇る外壁材も存在します。

バルコニーがある場合、メンテナンスのタイミング・内容・費用は?
例:部品交換/シーリング、増張/貼替/重ね塗り、本体交換/防水

バルコニーも意外と補修費用がかかる設備です。将来に備えて慎重に検討しましょう。

標準仕様のキッチンの躯体の建材には何を使っていますか?

躯体がホーローやステンレス製の場合、30年以上使うことも可能です。

10年後以降の長期保証の内容と条件、費用は?特に定期的な有償メンテナンスが必須の場合は要確認!

定期的な有償メンテナンスが条件の場合、修繕のタイミングや費用を自分でコントロールできないため、割高な契約になりがちです。「長期保証」という言葉に惑わされてはいけません。

Theories 4

  • セラミックの陶器瓦は、メンテナスフリーなのでライフサイクルコストは最も安くなる。
  • 瓦の重さを加味して構造計算を行うことで地震にも安心できる。
  • 外壁はなるべくコーキング工事や防水塗装が必要無いものを選べばライフサイクルコストは最も安くなる。
  • バルコニーや空調設備、キッチンについてもライフサイクルコストで考えて備えれば将来も困らない。