住宅スペック
INDEX従来の日本の古来種(イエシロアリ・ヤマトシロアリ)への対応だけでなく、外来種(アメリカカンザイシロアリ)への対策も。
日本の古来種のシロアリ(イエシロアリ・ヤマトシロアリ)は土中に巣を作り、そこから建物の基礎を通って下から上に向かって住宅に侵入して住宅に被害を与えます。これに対し、基礎を施工する前の土壌と、建物構造の地盤面より1メートルの高さまでに対し、それぞれ薬剤による防蟻処理を行います。
土壌処理
躯体への薬剤散布(地盤より高さ1mまで)
この防蟻剤は5年で保証期間が切れるため、5年ごとの再薬剤処理が必要になります。構造躯体はほとんど隠れてしまうため、建物周囲のチェックと床下の再防蟻処理が主です。
アメリカカンザイシロアリは、日本古来種と異なり、飛来して直接屋根、窓枠等から侵入し、そこから木材の内部に侵入して巣を造り、害をもたらします。よって、侵入箇所が特定できません。ですから、アメリカカザイシロアリを防御するには、家全体に薬剤を施工する必要があります。そして、住宅の建築中には薬剤の施工が出来ても、住宅が完成すると施工出来ない部位があるので、薬効が数年で切れてしまう薬剤では、再施工ができず、役に立ちません。
そこで、薬効が長続きし、且つ、家全体に施工しても、住む人に害を与えない薬剤を選択する必要があります。その条件を満たす薬剤として、無機系の薬剤であるホウ酸塩があります。日本では、平成21年にやっと防蟻剤として認められたのですが、世界では主流となっており、アメリカでは、住宅の80%にこの薬剤が使用されています。当社ではこのホウ酸塩を構造躯体の外部側の木材に塗布・噴霧しています。
ホウ酸塩は無機質のため水で流れなければ長期間薬効が続くがないこと、経口毒性が塩と同レベルと人体への影響が少ないことから安心して使用できます。
なおアメリカカンザイシロアリは岡山県を含む複数の県で食害の報告例があり、家の耐久性を数十年とみると、是非対応しておきたい脅威の一つです。
アメリカカンザイシロアリ対策のホウ酸塩を構造材に塗布
アメリカカンザイシロアリは除きますが、土中から来るシロアリへの対策には、上記の他に下記のようなものもあります。標準では施工しておりませんので、実施されたい場合はご相談ください。
○基礎への侵入を防ぐ方法
シロアリは土中から基礎の割れ目などを通って侵入することがあるため、基礎外周部の外側や内側に網やバリケート材などを施工して侵入を防ぐ方法があります。(商品名:ターミメッシュ、アリダンなど)
ターミメッシュ
○毒餌により駆除する方法
家の外周付近の土中に毒餌を埋めておき、飛来したシロアリが建物につく前に毒餌を食べて死滅することを狙った駆除方法です。毒餌を食べたシロアリが巣に戻り、巣のシロアリも全滅させます。ただしこの毒餌にシロアリを引き寄せる効果はないので、シロアリが毒餌を偶然見つける可能性を上げるため、家の外周そば十数か所に毒餌を埋めます。(商品名:ベイト工法等)