住宅スペック

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空調

最適な選択肢はエアコン

冷暖房機器の中で性能・効率・コストのバランスが取れていて推奨の機器は、ヒートポンプ式のルームエアコンです。ヒートポンプの効率が高く、実際に使用する電気の4~6倍程度の熱を外部とやりとりできる、冷暖房の要です。

設置台数は、計算上は40坪前後の住宅1軒で出力2.8kW1台程度で足りますが、エアコンから遠い部屋や階段室だけでは異なる階との空気の移動が少なく熱が伝わりにくいことから、標準仕様の延床面積40坪の2階建ての建物で、1階に4.0kW1台、2階または屋根裏に2.8kW1台を推奨しています。(4.0kWは今後の検証等によりサイズを小さくする可能性があります)

また、1台のみの設置にすると、万が一エアコンに不具合が起こってすぐにアフター修理や交換ができない場合、空調の無い建物になるタイミングができる場合があるので、複数台が望ましいという理由もあります。

 

2階以上を1台で空調する屋根裏エアコン

1階はリビングなど広い部屋にエアコンを設置することが多いのですが、2階は主寝室・子供部屋・子供部屋など部屋が分かれるため、エアコン1台では温度差ができやすい場合があります。その心配がなくなるのが、屋根裏エアコン方式です。

当社では標準仕様で屋根断熱を行っているため、断熱範囲内である屋根裏空間にエアコンを設置し、各部屋の天井にファンを設置して屋根裏の空調した空気送り込みます。それにより、1台のエアコンで各部屋に均等に空調する方式です。屋根を二重にして遮熱しているため、真夏でも小屋裏が一番涼しく建物全体が快適になります。

小屋裏から2階の居室までの経路としてダクト配管を使う場合がありますが、将来のダクト内の清掃などのメンテナンスを考慮して、最長でも2m程度、曲がりは2回までで設置します。

 

その他の空調システムや冷暖房器具

○セントラル空調(と第1種換気)

建物内の機械室などに1台の空調機を設置し、各部屋へダクトを経由して空調(換気と併用する場合もあり)を行うセントラル空調はお勧め致しません。気密性能が低い場合は、確実な空調(と換気)を行うために必要かも知れませんが、高い気密性能を持つ建物に、適切な空調・換気計画を行えば、ダクトレスでも十分な空調・換気は可能です。また長く曲がりの多いダクトを天井裏や壁の中に設置すると、将来のメンテナンスが困難となる可能性があります。

○床暖房

これまでの解説の通り、高気密高断熱の建物は、床暖房がなくともエアコンの空調だけで床と天井との温度差を1℃以内にすることができます。また、床暖房による30度を超える熱さの床は、こたつから出られなくなるのと同様に、自律神経失調症のような症状の原因になる場合があるという話もあり、あまり床面を熱くすることはお勧めしません。コストや将来のメンテナンスのしやすさの点からも、床暖房は不要と判断しています。

どうしても採用されたい場合は、熱源はヒートポンプ式で、床表面温度は高くても28℃までを推奨いたします。それでも床内部に発熱部を設置するため、床下方向に熱が逃げるデメリットや、コスト・メンテナンスなどの懸念事項は残ります。※北欧では、床暖房の床温度を法律により28℃以下に定めている国もあるようです。

○パネルヒーター

欧米などで見られる、不凍液などを金属の管の中を通して温めるパネルヒーターは、エアコンのように空気を大きく動かさないため、気流による不快さがないという点ではメリットがあります。ただ、設備1台の室内機では広い範囲の空調には向かないため、各部屋に設置する必要があり、エアコンと比較してかなりコストが高くなります。また、夏の冷房も行う場合には金属管の表面に結露が発生するため、しっかり排水や乾拭きを行いカビの原因にならないようにする必要があります。