住宅スペック

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断熱性能

気候に合った適切な断熱レベル

断熱性能は、その地域の気候と暮らしの要望に合わせて適切なレベルに設定する必要があります。車の燃費や強度は高ければ高いほど良いものですが、断熱性能は着る服の厚さに似ていて、高すぎても低すぎてもデメリットが大きくなります。

コスミックの標準性能

○性能の内容と意味
岡山県南部で推奨している標準性能は、

断熱性能:Ua値0.50~56(W/㎡・K)
※HEAT20 G1程度
※2018実績では0.43~0.54あたり

気密性能:C値0.5(c㎡/㎡)以下
※2018実績では0.2~0.35あたり

です。この性能を適切な室内環境とコストのバランスとして推奨しています。

この性能が実現する環境の1例では、延床面積40坪前後の住宅を12畳用エアコン1,2台で暖房し「22℃の暖かいLDK」「エアコンから遠く寒い部屋でも19℃以上」といった環境を維持し、家全体を暖房して一冬のエアコンの電気代が3~4万円(1,100~1,400kWh)程度のエネルギー消費です。

○標準の断熱仕様
上記の標準性能を下記の基本仕様で実現しています。
壁:現場発泡硬質ウレタン(30倍発泡) 60mm
屋根:現場発泡硬質ウレタン(30倍発泡) 80mm
床:押出法ポリスチレンフォーム断熱材 100mm
窓:樹脂製サッシ・ペアガラス(YKKAP社 APW330シリーズ)
※断熱材の厚さや窓が同じでも、家の形状等によりUa値は変動します。

グレードアップ

○グレードアップの例

自由設計のため性能アップは構造上許容可能な範囲で可能ですが、標準性能から1段階上げる目安としては下記となります。

断熱性能:Ua値0.40~46(W/㎡・K)
※HEAT20 G2程度
気密性能:C値0.5(c㎡/㎡)以下

○グレードアップの断熱仕様

グレードアップ時は下記の仕様となります。

壁:現場発泡硬質ウレタン(30倍発泡) 80mm (20mmアップ)
屋根:現場発泡硬質ウレタン(30倍発泡) 100mm (20mmアップ)
床:押出法ポリスチレンフォーム断熱材 100mm (変更なし)
窓:樹脂製サッシ・トリプルガラス(YKKAP社 APW430シリーズ)

※ 断熱材の厚さや窓が同じでも、家の形状等によりUa値は変動します。

○グレードアップのメリットは?

岡山県南部の気候でUa値0.56 ⇒ 0.46 にグレードアップすることによる初期コストアップをランニングコスト(空調の電気代)で回収することは難しいと思われます。

メリットとしてトリプルガラスになった窓付近での断熱性能アップによる体感の違いや結露のリスク低減効果、ランニングコスト低減はありますが、必須と言えるものではないので、ワンランクアップのグレードとしてご提示しています。

※岡山県北(真庭市・新見市・高梁市)などの事例では、グレードアップ仕様で実装しています。

 

超高断熱は必要か?

〇超高断熱の例

断熱材の厚みを上げることにより、断熱性能Ua値を極端に上げることは可能です。

(例1)ツーバイシックス構造のまま、構造躯体いっぱいまで断熱材を充填することにより、

壁:現場発泡硬質ウレタン(30倍発泡) 120mm (60mmアップ) ※配線スペース20mmを考慮
屋根:現場発泡硬質ウレタン(30倍発泡) 140mm (60mmアップ)
となり、プラン等によりますがUa値が0.08~0.1程度向上して0.35前後になります。

(例2)さらに構造をツーバイシックスからツーバイエイトに変えるなどし、断熱材の厚みをさらに増すことが可能です。
壁:現場発泡硬質ウレタン(30倍発泡) 160mm (100mmアップ) ※配線スペース20mmを考慮
屋根:現場発泡硬質ウレタン(30倍発泡) 200mm (120mmアップ)

こちらもプラン等によりますが、Ua値は0.3前後、Q値は1を切る断熱性能になります。当社で過去にこの性能の住宅を建築し、一定期間温度・湿度・光熱費を測定しました。

さらに外断熱(付加断熱)も行うことにより、30mm~50mmの断熱材厚みアップが可能ですが、外断熱は外壁材の留め付けや窓周りの施工の複雑化、防蟻、耐久性等考慮事項が増えコストアップするデメリットもあります。

○性能向上の意味

上の例のような性能向上は、家の中から外に逃げる熱を減らすため、冬季の暖房期間が短くなり、暖房費も下がります。ただし、夏季にも家の中の熱が逃げないため、窓からの日射、家電や人体からの発熱等によって室温が上がりやすく、冷房期間が長くなる可能性があります。断熱性能が高い=保温力があるので、エアコンは効きやすいのですが、外気温が低く一般的に冷房をしない時期に、冷房をしないと家の中だけ暑く不快という状況は望ましくありません。また上記ほどの性能向上にはかなりのコストがかかり、対して削減できる空調の電気代は採算が合うほど大きくないため、技術的には可能ですが推奨はしておりません。

断熱性能は、安全・快適に住むための建物を設計する途中段階の数値の一つでしかありません。Ua値が高いことだけを追いかけるよりも、実現可能なコストで適切なレベルとバランスの性能を確保することが重要と考えます。