日本刺繍展(10/7まで)
私は先日ある方から教えて頂いたのですが、それまで全く知りませんでした。
明日10月7日(日)まで開催されている「日本刺繍展」を、
あるとても熱い方(当社の藤井社長じゃないですよ)に
「騙されたと思って行ってみられ。すごいから」と紹介され、行ってきました。
これが、ど素人の私が見ても、すばらしいものでした。
デジカメなので、質感が伝わるかどうか分かりませんが、何枚か撮らせて頂いた写真を掲載します。
これらは一つ一つが製作に数か月~何年もかかる作品だそうです。
この刺繍の断面を見ると、ほとんど盛り上がっていないことがわかります。
↓上の猫の刺繍を机の上に置いて、盛り上がりがないことを撮った写真です。
他に、このような作品も。デジカメと私の撮影の腕では、質感が出ないのが残念です。
普通に見ても繊細で美しいのですが、左右から見ると。。。
ちょっと小さいのですが、見る向きによって蛍の数が変わっているのが分かりますでしょうか。
これは、糸の色が方向によって異なっていたり、色の違う糸を重ねているからではなく、
刺繍の技術によるものだそうです。
これらの刺繍は、京都の「千繍工房」の木村千鶴さんによるもので、会場で実演をされていました。
絹糸を一本一本布に通していく、大変きめ細かな作業であることが分かります。
木村千鶴さんのお父様の木村義弘さんが色々と教えて下さったのですが、
工業用、つまり商売である刺繍を捨て、伝統工芸としての日本刺繍を後世に残していく決意をし、
親子で島根の山奥にこもって雑念の入らない環境で刺繍の技術を磨き、その技術を残していく
題材として、清少納言の枕草子を選び、枕草子を深く深く追及していった結果、ついに神田の
書店で江戸時代の枕草子の写本を見つけ、それを原文として300段を200年かけて刺繍の
巻物にしていく作業をされているそうです。その巻物も会場にありました。
(200年というのは、後継者も育成し、技術を残して行くという意味です。)
一般庶民の私が「なんでそんなことするんですか?」と聞いたところ、
「携帯電話の微細な電子回路にも、金糸の刺繍の技術が使われている。
世の中はデジタルになっていっているけれども、必ず出発点には職人や
工芸品の技術があるはず。
日本刺繍は千何百年の歴史があり、高い技術をもつもの。
日本刺繍の技術を徹底して追求した作品をいろいろな人が見ることで、
おのおのがいろいろなヒントを受け取り、広がっていくはず。
そのために、原点になるような高い技術を残していきたい。」
という答えを頂きました。
他にも、色を付ける技術や糸の違いなど、色々と解説して頂き、
関係者の紹介ということで、特別に撮影禁止の所、上記の写真を
撮らせて頂いた次第です。
「日本刺繍」という言葉も知らないような私が見てもよいと思えるものでした。
岡山県天神山プラザで明日(10/7)までの開催だそうです。よろしければいかがでしょうか。
最後に折角撮らせて頂いたもう一点を掲載します。
※本来は撮影禁止ですので、何卒ご了承ください。
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