発泡ウレタンの100倍と30倍

2015/02/04

今回は、当社で使用している断熱材
「現場発泡ウレタン」についてご紹介します。

「コスミックさんもウレタンですよね」と
見学会などでご来場の方に言われることが
あります。

ウレタンはウレタンですが、現場発泡ウレタンにも
種類があり、特性が大きく異なりますので、
ご注意ください。

大きな違いの一つは、発泡率。

現場発泡ウレタンは、現場で温度の高い原液を
構造に吹き付けると、内部に気泡ができ、
膨らんで固まるプラスチック系の断熱材です。

隙間にも入り込んで膨らんで固まるので、
気密性を高めやすいのも選ばれている理由かと
思います。

このとき原液の100倍まで膨張するか
30倍まで膨張するかの違いで、
「100倍発泡」「30倍発泡」と呼んだりします。

当然、たくさん膨らむ方がコストは
安くすみますので、そのためか
100倍発泡が選ばれているようです。

さて、細かいことは後回しにして、こちらが100倍発泡です。

スポンジのように柔らかいので、私のような
弱い握力でも、下のとおりです。

このサンプルも、展示会でやんちゃな男の子に
ちぎられたのでこんなに小さくなってしまいました。

対して、当社で使用している30倍発泡ウレタン。
冷凍倉庫用にも使われています。

見学会ではお馴染み、エアコンの穴を抜いたあとのものです。
私がギューっと握っても、つぶれません。

これだけでは分かりにくいので、上に乗ってみました。

数秒乗っただけでしたが、へこむことは
ありませんでした。
と言っても中は小さい気泡が沢山あるので、
長時間乗っていたら少しずつつぶれるかも?
知れません。
(写真に写ってませんが、天井にぶら下がる
などのインチキはしておりません)

当社では、100倍発泡は使わず、
30倍発泡を使います。

理由は、上に乗れるからではなく、
断熱性能の違い(30倍の方が
1.5倍程度熱伝導率が低い)と
透湿抵抗の違い(100倍の方が
水蒸気が入りやすい)が主な理由です。

特に後者の水蒸気の通しやすさが問題で、
30倍の方は内部の気泡同士がつながって
いない(独立気泡)のに対し、100倍の
方は内部の気泡同士がつながっている(連続気泡)
ことが、水蒸気を通しやすい理由の一つです。

WUFIのシミュレーションでも、
当社の壁構造では100倍発泡を
使用した場合は、壁内の相対湿度が
高くなり、壁内結露やカビのリスクが
高くなる結果が出ています。
(これはWUFIの物性データを
使った結果で、全ての100倍発泡で
試したわけではありません。
後日、本ブログでご紹介いたします。)

断熱材一つとってもメリット・
デメリットなど沢山ありますが
何故か岡山ではウレタンがよく
話に出るらしく(ラジオの影響?)
ウレタンにも違いがあることを
知って頂きたいお話でした。

もっとウレタンについて色々と
調べたい!!という方は、
「ポリウレタンフォーム」
「発泡プラスチック」などで検索すると、
色々と情報が出てくるのではと思います。

また、当社のサイト内の以下の記事も
ご覧いただけると参考になるかと思います。

→「コスミック・ガーデンの断熱素材」のページへ

→「断熱職人の声(マルフジフォーム社長インタビュー)」のページへ

発泡100倍ウレタン、30倍ウレタン、セルロースファイバーのWUFIによる結露シミュレーションの結果

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