熱交換換気は冷・暖・換気トータルで評価を
ご報告を簡単に書かせて頂いておりました。
その時に講師をされていた高知工科大学の
田島准教授が、先月、東京都内で開催された
シンポジウムで発表されていた様子が、
今月の日経ホームビルダーに掲載されていました。
国土交通省で研究員されていた方で、高松のセミナーの内容は
実践、実測を主としたとても現実的で興味深いものでした。
今回の記事でも、掃除ができないと換気性能が下がり
換気量が減るため、掃除のしやすい設備であることが
重要とあります。
他に、高松のセミナーでも聞いた熱交換換気のメリットに
関するお話が載っていました。(こっちが本題です)
熱交換換気は、暖房の助けにはなりますが、
暖房・冷房・換気システムの全ての消費エネルギーの
合計で評価しなければならない、というものです。
田島准教授のシミュレーションでは、東京の気候で
消費エネルギーを試算すると、熱交換換気が第三種換気
を上回るという結果が出ています。
当社での試算でも初期費用の差額を回収するには
数十年かかる(その前にシステムの寿命が来るのでは・・・)
という結果になっています。
熱交換換気がお得とお考えの方は、
「外が0℃、中が20℃の時、第三種換気だったら0℃の
空気が入って来るところ、熱交換すると18℃の空気が
入ってくるから、暖房エネルギーの節約になる」
という理解をされているかと思います。
上の説明自体に間違いはありません。
しかし、トータルで考えてみて頂きたいと思います。
・18℃差がついている状態が、ひと冬に何時間あるのか。
・結局、ひと冬でどのくらい暖房の電力が削減できるのか。
・熱交換すること自体がデメリットになる時期はないのか。
・熱交換換気システムを動かす電力はどれくらいか。
それを差し引いて、結局1年間で幾ら電気代が減るのか。
・大掛かりな熱交換換気システムを導入する費用を、
何年で回収することになるのか。それまで機器が持つのか。
以前、ある全国区のメーカーの方と話していた所、
「東北など寒い地域でも、熱交換と三種が半々くらいかなと
いう印象なのに、中四国では熱交換、熱交換と言っている
会社さんが多いように思います。」
と言われました。
換気は、住環境を快適に保つために必須のものです。
当社は熱交換に第三種換気を覆すほどのメリットがないと
判断し、シンプルでメンテナンスも容易な第三種換気を
採用していますが、熱交換を検討される場合は、細かい
機能に目を奪われず、1年間トータル、またシステムの
寿命までの消費エネルギーやメンテナンスなども考慮の上、
ご判断いただくべきと思います。
P.S.
過去の気温データをお知りになりたい方は、気象庁のサイトが便利です。
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