熱血!!前先生 その2

2017/08/10
前回の続きですが、セミナーで来岡された

前先生を連れて、翌日は1日あちこち回りました。

 

県内の某住宅会社さんも途中まで同行されると

いうことで、そちらの会社さんの展示場から。

 

こういった機会には、他社さんの建物も体感できるので

我々も勉強になります。

 

最近本当に増えている、基礎断熱+床下エアコンです。

 

昨年の冬の撮影は1日5邸ずつ、2日で10邸回って

かなり大変でしたが、今回も1日で5邸回ります。

 

当社のOB様のお宅も3邸含まれていますが、こちらは

全然暑くなく快適で、お邪魔すると出たくありません(笑)

B○Wが新車で買えそうな値段の広角・高解像度の

サーモカメラで淡々と撮影を続ける前先生。

 

そして今回は、事前に当社に送られてきた

大きなケースから不思議な機械が登場しました。

 

怪しいロボットのようにも見えますが、設置場所の

空気温度・輻射温度・相対湿度・気流(風速)の測定器です。

これに着衣量・作業量を設定すると、PMVおよび

PPDという、快適性を表す数値を表示してくれます。

 

例えばこのお宅では、

空気温度(上から3番目)は26.8度で、

放射温度(窓や壁や床からくる放射)は27.2度。

エアコンで空気温度を下げても、あまり窓が多すぎたり、

断熱・遮熱が低く、壁自体が熱くなっていると、放射温度

が高くなり不快になります。

また温度が低くても湿度が高いと不快ですし、その逆は

快適など、快適性は複合的に判定する必要があり、この

PMV測定器では1台で結論が出るので話が早いですね。

 

上の例では、PMVが+0.72、PPDが15.8。

「イスなどでじっとしていると快適ですが、作業量1の

設定なので少し仕事などをしていると暑く感じる程度ですね。

簡単に言うとPPD15.8は、100人いると15.8人が

不快と感じる指標です」と前先生。

確かに、このあと伺ったお宅のちょっと涼しい小屋裏が最も

快適という判定でしたので、設定により判定も変わります。

 

暑い・涼しい・暖かい・寒いという感覚には個人差があるので

確率的な表現ですが、このように数値化することで、共通した

物差しを設定するとわかりやすいです。

 

また、窓の外にシェードをつけているOB様邸にも

お邪魔しました。

取り付け作業時の写真ですが、窓の外に

取り付けるタイプです。

(この商品はYKKAPのアウターシェードです)

 

これが、日射熱を81%カットするのですが、

内側から見ると、こんなに明るい!!

実は私の自宅でホームセンターで購入した安価なものを

つけていたことはあるのですが、⇒ 当時のブログ

中が暗くなりすぎて不評なので辞めたのですが、

やはり本物は違います・・・

 

ちなみにシェードを開くとこんなに日射熱が入ります。

もちろん、この環境も測定されていました。

先程の放射温度が全く違ったはずですが、

またその結果は教えて頂くことになりました。

 

今回、時間のない中で5邸を案内しましたが、どこでも

黙々とデータを測り、サーモ画像を撮影し、方位を確認したり

照度計で明るさを測ったり、お施主様にヒアリングをしたり・・・

必要なデータを黙々と、淡々と集めていきます。

 

 

そして最後に大手ビルダーの物件の撮影に入りました。

こちらは天井断熱だったため、点検口から天井裏を

撮影したいとのこと。

 

ちょうど日が当たってて、天井裏はかなり暑い時間帯ですが

お施主様のOKを頂くと、構わず上がり始める前先生。

そういえば一昨年の夏も同じ光景を見たような・・・⇒ その時の記事

屋根の裏面が40度を超えていたそうですが、

この状態で10分ほど撮影を続け、汗びっしょりで

降りてこられました。

そして暑いの一言もなく撮影結果を確認します。

本当に熱心ですね・・・

 

この日は朝9時から夕方6時まで撮影に走り続け、

そのまま岡山空港までお送りしてお別れでしたが、

車中でいろいろと話ができました。

 

セミナーで話されていた通りで

「100%の家が性能を持つようになってほしい、

自分が全ての解を持っているわけではないが、

温熱環境に関してはできる限りサポートしていく。

住宅業界にも優秀な人は沢山いる。いろいろな人と

一緒にやっていきたい」

と静かに燃えておられました。

 

このような動機もあり、行動も具体的で発信力もあるので、

業界では引っ張りだこになるのもうなづけます。

このような熱い先生も何人かいらっしゃるのですが、でも、

工務店や住宅会社向けのセミナーって、「聞いておしまい」

ということも多いんです。

 

そしてなぜか国のルールは抜け道があるので、現状では

消費者(お施主様)が知識をつけて目を光らせて自己防衛する

必要があります。前先生には一般メディアにもガンガン出て

欲しいくらいです。でも気密がないと断熱の意味がないよ、

などという内容は、メジャーなメディアには流れないでしょうね・・・

 

将来は、前先生をはじめとする熱い先生方のこのような活動や

弊社のラジオなどによって、多くの住宅会社が家には本当の

性能を持たせなければ、と思うようになって欲しいと思います。

 

方向性が似ていて、思いが強く、行動力のある方にお会いできて、

とても元気づけられた二日間でした。

 

撮影にご協力いただいたお施主様にも心よりお礼申し上げます。

ありがとうございました!!

 

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