トイレの水漏れ

2012/09/27
本日対応した、あるお客様のトイレの水漏れの事例をご紹介します。

 

TOTOのトイレをご利用のお客様で、タンクの下の方から水が漏れるという

ご連絡があり、当社も確認した後、TOTOのメンテナンスに対応して頂きました。

 

「築9年目で、そろそろ色々な部品が劣化してきているのかなぁ」と

お客様もおっしゃられていましたが、実際には他の原因がありました。

 

今回のトイレの構造をご説明します。(全てのトイレが該当するわけではありません。)

トイレのタンクは、外回りが陶器でできているのは見てのとおりですが、

直接陶器に水を溜めると結露が起こること等から、内側に樹脂製のタンクが

入っており、そこに水を溜めるという二重構造になっています。

 

今回のタンクは「手洗いカラン」がついているので、そこから出た水が、

タンク上部のふたの穴を通って中の樹脂タンクに入る構造になっています。

ただ、このタンクのふたと樹脂タンクの間に少し距離があり、そこを中継するために、

筒の形をしたスポンジのようなガイドが、ふたの裏についているのです。

 

・・・わかりにくいので写真を。

トイレのふたを外して裏返すと、下のように裏に黒いスポンジ状のものが。

タンクの中には樹脂タンクがあり、中央の丸い穴から水が入って溜まります。

 

今回の水漏れの直接原因は、この黒いスポンジ状のガイドが

タンクのふたから、はがれ落ちていたことでした。

そのため、タンクのふたの穴から入ってきた水が、きれいに樹脂タンクの穴に入らず、

横にそれて樹脂タンクと外の陶器のタンクの隙間に漏れてしまい、陶器のタンクの

下部にあるねじ穴(防水されていません)から床に漏れたというわけです。

 

これだけですと、単に経年劣化したのね、ということになりますが、

実は経年だけでなく、下記のものが劣化を早めた原因と思われる、ということなのです。

申し訳ありません、商品が特定できないように意図的に写真をぼかしていますが、

これは、手洗いカランの所に置く、トイレ用洗浄剤です。

 

TOTOさん曰く、もともとトイレのタンクは水道水以外のものが入ってくる想定で

作られていないため、強い酸性の水が流れることで、先ほどのスポンジ状のガイドを

タンクのふたに固定している接着剤が取れてしまったのかも知れないとのことです。

 

また、約9年使用されたスポンジ状のガイドと、新品のガイドの写真が下記ですが、

厚さが半分ほどになり、固くなっているようでした。

経年による劣化と、洗浄剤による変化の区別は難しいのですが、

便器メーカーとしては、洗浄剤を使用される場合は、このようなことが

起こる可能性も理解して頂きたいとのことでした。

また、タンクに放り込む固形の洗浄剤もありますが、この包み紙や固形物が

タンクの中の水栓に触れてしまい、水が流れ続けたケースもあるとのことです。

 

今回も長くなりましたが、ただの劣化や不具合ではなかったので、ご紹介しました。

ご参考になれば幸いです。

 

ちなみに、タンク内のトラブル等で水が流れ続けて止まらなくなった場合、

便器の後ろやタンクの下に、下記のような止水栓があるので、これを

マイナスのドライバーで締めてから、当社やメーカーサポートにご相談下さい。

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