ホームビルダーズ研究会 in 岡山
全国の工務店が定期的に集まり、勉強会や物件の視察を行って研鑽を深めています。
今月はその集会が岡山で開催されました。
当社の藤井は研究会の中で技術向上委員長という役割を担っているため、今回は技術色の強い勉強会となりました。
藤井から開催にあたってのご挨拶をさせて頂きます。
セミナー第1部では、屋根やバルコニーの換気部材などを製造している(株)ハウゼコの神戸社長様から、構造の腐食や金属部品の電蝕被害などの事例が発表されました。
世界中の建築基準や事故事例を調べ歩いている神戸社長の具体的なレポートは生々しく、目を見張るものがありました。
第2部では、十勝2×4協会の山口様に北海道は帯広からお越し頂き、講演をして頂きました。
(ちなみに沖縄からも2名の方がご参加いただきました)
冬はマイナス20℃を超え、地震も多い十勝地方で1974年から枠組壁工法(2×4)を取り入れてきた生き字引のような方でした。高気密高断熱性能と構造強度、高耐久性から徐々に2×4がシェア65%と軸組工法から取って代わりスタンダードになっていった経緯のご紹介は「要求の高い環境で、当然に良いものが選ばれていった」という正味の話と感じることが出来ました。
「自分の建てた家が地震で倒れて人が亡くなるなど考えられない。だから枠組壁工法にすべき」
「真冬は室内と外の気温差が50℃あり、2cmの隙間があるとすぐ結露する。施工する大工の覚悟が違う」
「2×4の地元の物件で実際に火事が起こった場合の被害の紹介」
など40名からの工務店の参加者を相手に、心に刺さる話が続きました。
私はこの方の話は昨年の2月に十勝2×4協会視察ツアーで聞いていますが、この話は本当に自分たちの選択が間違っていないと再確認できます。
1日目は座学で、2日目は現場視察です。
今回はコスミック・ガーデンの2物件を皆様に見て頂きました。
1棟目は当社事務所の隣のS様邸です。
住宅のプロでも、性能の高い住宅を本当に体感で知っているかどうかには差があります。参加工務店の中には高気密高断熱の住宅を建てられていない方もおられるので、10畳用エアコン2台で全館冷房している状況には驚かれていました。
またS様邸はドアや床材はホームビルダーズ研究会の事務局が製造・販売しているものでもあるので、実例としても参考にして頂けたと思います。
2棟目は今週末見学会を予定している倉敷市のH様邸です。
こちらは陶性外壁を施工しており、他では見られない質感なので、皆様興味津々のようでした。
また内部の壁紙やタイル、建具、設備関係も高級な素材が多く、非常に興味深く見学して頂けました。
「高性能だからといってデザインがおざなりになってはいけない。むしろデザインもレベルを上げていくべき」と藤井の説明。
「こんな壁紙を選んだら職人に怒られる」など、難しい素材を使い慣れていない工務店さんにとっていかに難しいかという声も聞こえてきました。
1日目は、耐久性・構造強度・気密断熱・換気などの基本性能を高く保つこと、
2日目にはその実例の体感と、そしてデザインも含めた空間の質の向上という、盛り沢山の充実した内容で2日間を終えることが出来ました。
志の高い工務店同士の良い家を作るための流れが今後も続けば嬉しく思います。
ご参加の皆様、お疲れさまでした!! ありがとうございました!!!
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