原子力と風力と

2011/10/24

中国電力さんのお誘いを頂き

島根県にある、「島根原子力発電所」と「大仙ウインドファーム」という

風力発電施設を 視察してきました。

 

火力発電が主の中国電力にあって

山口県の新原発が、難しい状況のなか

島根原発は、新しい第3号機の営業稼動を

間近に控える重要な施設ということでした。

 

 

本当なら、いろんな写真を交えて

書きたいのですが、テロ以降非常に

厳重な警戒態勢になっています。

 

県警の指導の下、全ての車両、観光バスの乗員、客、

社員にいたるまで全て身分証明書などで

身元確認されます。 (免許証の期限切れで入れなかった人も

数名居たそうです)

 

 

原発の敷地には、入り口は二つしかなく

現在津波対策工事中なので

ゼネコン(大手5社によるJV=ジョイントベンチャー)の

作業員・資材搬入車両・果ては宅配便・郵便配達まで

厳しくチェックです。

 

 

私たちのバスも、乗客の身元確認と

鏡を使った 車両下の不審物チェック終了まで

足止めです。

 

一旦 敷地内に入っても 一切写真・ビデオ撮影は禁止です。

 

 

私たち、住宅を扱うものにとって 信じられないくらいの

巨大な 防波堤やその鉄筋(53Ф=住宅の鉄筋はせいぜい16~18Ф)

数万年前の永久岩盤まで到達する 巨大な鋼管杭

(直径2mの管の中に1.6mの管、その中に1.4mの管を

打ち込んだ上に、コンクリート流し込み) という

すさまじい工事を行っていました。

 

 

震災時に やたら「想定外」という言葉が

飛び交いましたが、それを吹き飛ばすくらいの

内容でした。

 

 

 

原子炉の起動・停止を行う司令室訓練の様子

(シュミレーターですが)を見学し、

実物大模型による 原子炉内にも入りました。

「核燃料棒」 や 「ペレット」 と言われる

放射性物質のサイズも確認できました。

 

 

とにかく、何十もの安全対策をとり

福島の原発で起こった 問題を参考に

あらゆる 事象に対応できる システムを組んでいるので

安心してください。 という感じでした。

 

 

・・・確かに、安全は勿論ですが

コレだけの、予算やモノ・人が係る

超巨大プロジェクトですから

簡単に、放棄することは

大人の事情として 難しいんだろうなあ と思います。

 

 

 

次に、国道9号線沿いにある

大山ウインドファームを視察です。

 

巨大な 風車が何十基も回り

日本海からの風を受けて 発電しています。 

 

 

自然エネルギーを利用した風力発電には

大きな注目が集まっていますが、

問題が無いわけでは有りません。

 

先ずは、コストです。

1基の風車を建造する費用と、発電できる電力量、

その発電機の寿命のバランス。

 

次に、あくまで「風」が頼りなので、発電したりしなかったり。

その不安定さ。

・・・コレは、優れた 「蓄電池」 が開発されれば

ほとんどの問題が解決するかも。 国にはここに

莫大な研究予算投入を望みます。

 

 

次に、風が良く吹くということは

「鳥」 にとっても其処は通り道なので

鳥が、風車に激突する「バードストライク」と言われる問題。

動物愛護の観点からも、問題視されています。

 

 

最後に、風切音による「低周波」で

近隣の住民などに影響が出ると言うこと。

(コレは、浮島などを人工的に作って 海上沖合いに設置で

解決=ヨーロッパでは実績アリ。 但しこれもコストがかかるし

漁業への影響は未知数)

 

などなど、すぐに次の代替エネルギーに移行すると言うことは

難しいとは思います。

 

 

しかし、いつまでも、原発に頼っていても 不安が残るだけです。

様々なエネルギーと、省エネ技術を組み合わせなければ

今後やっていくことは出来ないはずです。

 

 

中国電力の社員さんでも、「今後原子力は・・・」 という

言葉を出された方が居た位です。

 

 

我々住宅を作る側の人間が出来ることは

今までの住宅では考えられなかったくらいの

省エネが、生活上ほとんど無理や変化なしで

実現できる建物を建てていくしかない。と思っています。

 

 

デザインや、〇〇産の木、お洒落な〇〇 という

前に、クリアしておかなければならない 基準が

あると思います。

 

 

 

・・・視察途中 境港で出会った

「鬼太郎」 と 「ねずみ男」 を紹介しておきます。

 

 

 

 

今回、貴重な見学の機会を用意してくださった

中国電力さんに 心よりお礼申し上げます。

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