室温が高いと・・・
出た後、田淵邸の見学会も開催中にも関わらず、
一人だけ大阪のセミナーを聞きに行きました。
会場は、こちら。
アジア太平洋トレードセンターという大きな建物です。
ここで、以前岡山でも一度聞いたことのある奈良県立
医科大学の佐伯先生の研究内容の発表がありました。
また、建築業界ではすっかりおなじみになった、
慶應大学の伊香賀先生の発表もありました。
先生方の共通点は、室温の違いが人体に及ぼす影響を
多数の被験者に対して調査し、事実をデータとして
集めておられるところです。
住宅会社の宣伝ではないので、大げさな発表もなく、
事実の羅列ではありましたが、色々な切り口のデータが
発表されていました。
ほとんどの研究が暖かい室内と寒い室内に住む被験者
の比較でした。発表内容を簡単に書きます。
※実際には、被験者数、年齢、比較した部屋の温度、
滞在日数など様々な条件も提示された上の発表ですが
割愛させて頂きます。
ざっくりとは、部屋が暖かい方が、
・高血圧になりにくい ⇒ 脳卒中などのリスクが下がる
・血小板が少ない(寒いと多い ⇒ 血管が詰まりやすい)
・食塩の摂取量が少ない(寒いと増える。マウスでも同結果)
・要介護認定になる年齢が遅い
・要介護度の進行が遅い
・夜間頻尿になりにくい
・布団に入ってから寝るまでの時間が短い
・全脳神経線維の質が良い(脳ドックで調査)
などです。
昔から「冷えは万病のもと」と言われ、暖かい方が
健康になりそうなことは、当たり前のように思いますが、
エビデンス(証拠)が無いと、国が断熱の基準を
設けたりガイドラインを出すことは難しいといった
背景から、温度差による人体への影響調査をされています。
イギリスでは、保険省により下記の基準が決められています。
18℃:全室の最低推奨室温
18℃未満:血圧上昇、循環器系疾患の恐れ
16℃未満:呼吸器系疾患に対する抵抗力低下
5℃:低体温症を起こす危険大
そして10℃以下になる賃貸住宅の家主には国から
改修・閉鎖・解体命令などが下されるとのこと。
取り組みが早い国はこのように基準を設けていますが、
日本ではガチガチのエビデンスがないとなかなか
国から強く言ってもらえないそうです。
もちろん事実に基づいて公平・公正に采配する必要が
あるからという理由はわかりますが、何年もそうして
いる間にも、ヒートショックが起こる様な住宅が沢山
建てられており、これからも建てられるのでしょう。
反対に、断熱推進派の住宅会社の方では、
商売がからんで過剰な競争になり、必要ない
レベルまで断熱したり、必要でない設備まで
導入していたりしないかという懸念もあります。
見学会やゼミにいらっしゃる方にはお伝えして
いますが、住宅関係の情報は、大半が住宅会社の
広告宣伝費によって作られているので、何らかの
偏りがあると思って見る必要があります。
とはいえ、住宅の建築は公共事業ではなく民間企業が
ビジネスとして行わなければならないため、宣伝広告
の偏りを全てなくすことはできないのが現実です。
そのような目で、世の中にあふれている住宅関係の
情報を観て頂きたいと思います。
また、国の発信する情報も、完璧でもフェアでも無く、
大きな誰かが都合が悪くなることは入っていないと
思いたくなります。気密性能の基準が無いように。
そう考えると、ネットで見ただけで会社を選ぶなど
ということは、とても怖くてできないと思いますし、
コスミックも含めどの会社が言うことも一度は疑い、
ご自身で正しいかどうかを判断していかなければ
なりません。
私が10年以上前に代表の藤井から言われた、
「家は命がけで建てなきゃ。」という言葉は
間違っていないと思います。
本当は、住む人にとって必要十分なことと、
それを実現できる本当の方法を、これから家を
建てる皆さんが迷わず知ることができるように
なればよいのですが、、、わが社も微力ながら
そのために貢献できればと、色々と今後の取り
組みを検討しています。
言いたいことが多く、うまくまとまりませんで
申し訳ございません。
要するに、これからも頑張ります、ということで・・・
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