枠組壁工法(ツーバイ工法)の住宅は地震に強い

2016/12/15
今年の春先に発生した熊本地震の報告会で

枠組壁工法(ツーバイ工法)の住宅が倒壊した

という情報を、報告会に出席した当社スタッフ

からの報告によって聞いたのが今年の9月でした。

倒壊の内容は、写真を見ると一階が完全に

潰れた状態でした。

阪神淡路大震災でも、新潟中越地震でも、

東北の大震災でも、枠組壁工法の住宅は

全壊も半壊も起こっていないのに「ナゼ」、

それも一階が潰れるなんて、枠組壁工法では

ほとんど有り得ないことなのに、どんなことが

起こったんだろうという思いでした。

規則通りに建築された枠組壁工法の住宅が

一階が潰れるような倒れ方をするなんて、

どう考えても想像できませんし、論理的に

考えても、倒壊の過程を考えられません。

ですから、もっと倒壊した建物の状況を

知りたいと思い、情報の収集を図りました。

しかしなかなか情報が収集できず、悶々と

して2か月が経過したころの11月11日に

大阪で熊本地震の現地調査をした一級建築士

の佐藤氏のセミナーがあることを知り、

私を含め4人で聴講に行きました。

そこで明らかになったのは、5棟の枠組壁工法

(ツーバイ)が倒壊したという情報の中で、

一階が潰れた4棟は正式な枠組壁工法ではなく、

同工法の特徴である、強固な壁がまったく

形成されていない、枠組壁工法に似せた、

まったく別物の木造住宅でした。

5棟のうち1棟は、増築された二階建ての

細長い建物で、建物の構造は枠組壁工法に

まちがいなく、強固な構造の住宅です。

しかし建物本体は強固なのですが、建物と

基礎の結合が規則通り施工されておらず、

建物が地震で基礎からはずれて倒れていました。

けれど建物の構造は強いので、建物が直方体

のまま、横に倒れただけで、建物はほぼ壊れて

いません。

このことは、正しく造られた枠組壁工法の

建物の強さを証明していると言えるでしょう。

下記に各地震による被害状況の表を掲載します。

どの地震でも枠組壁工法による構造の強さを

表していると言えるでしょう。

阪神・淡路大震災 マグニチュード7.3 (最大震度7 神戸市須磨区・長田区他)

人的被害 死者6,434名、行方不明者3名、負傷者43,792名

住宅 全壊:約10万4,906棟、全焼6148棟、半壊:約14万4,272棟、半焼69棟

※内閣府発表資料より

阪神・淡路大震災のツーバイフォー住宅の被害状況

※日本ツーバイフォー協会より

新潟県中越地震 マグニチュード6.8 (最大震度7 新潟県川口町)

人的被害 死者68人、負傷者4795人

住家被害は全壊3175棟、半壊1万3810棟、一部破損10万4510棟

※内閣府発表資料より

新潟県中越地震のツーバイフォー住宅の被害状況

※日本ツーバイフォー協会より

東日本大震災 マグニチュード9.0 (最大震度7)

人的被害 死者1万5859人、負傷者6107人、行方不明者3021人

住家被害は全壊12万9914棟、半壊25万8591棟、一部破損71万1376棟

※内閣府発表資料より

東日本大震災のツーバイフォー住宅の被害状況

※日本ツーバイフォー協会より

 

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