気密測定
新ホームページのリリースに向けて
事務所にこもってパソコンやスマホと
にらめっこしています。
それを見かねてか、スタッフの内藤が
気密測定の立ち合いに誘ってくれました。
当社では、建物の形ができ、断熱施工が完了したのちに
中間気密測定を行っています。
いつもお願いしているのは、断熱施工と同じ
マルフジフォーム工業さんです。
到着したら早速玄関周りの養生が始まります。
後日施工で塞ぐ予定のさや管や、換気口の配管なども
一旦テープでふさぎます。
気密測定の目的は、構造躯体の想定外のわずかな隙間を
測定し減らすことですが、こんな大穴があちこちに
あっては、小さい隙間の測定になりません。
一通りテープ張りが終わるころには、測定器も
セッティングが完了していました。
この機械で、建物内の空気を外部に排出し続けることで、
建物内が負圧になります。機械の前のフィルムが内側に
膨らんでいるのがわかりますでしょうか。
この時点で約30Pa差圧がついている状態です。
隙間だらけの建物だと、ここまでフィルムも膨らみません。
そして、ここまで差圧を付けて機器の数値を見て
「ちょっと大きな隙間がまだあるようですね」と
のこと。あちこち探すと、結局フィルムのテープに
少し剥がれがあっただけでした。
この日は外気温が低く、機械の測定値が安定するまで
少し時間がかかりましたが、待っていると
「C値0.25です。大きな隙間はありません。」
という結果が。
このお宅が約130㎡なので、家全体の隙間の合計が
32.5c㎡(5cm×6.5cmの四角の面積分)の隙間が
あるということになります。
ここで終わっても構わないレベルですが、差圧を掛けた
まま、念のため大きく漏れている場所がないことを確認します。
玄関周りに少し気流があるので、気密テープでふさぎます。
何か所か調べてテーピングを行いましたが、
ここまでくると、「あちらを塞ぐとこちらから入ってくる」
といったモグラたたき状況になります。
作業した後の再計測結果は「C値0.24」でした。
大きな隙間がないので、わずかな隙間ばかりの中で
目立つところを塞ぐと、他から入ってきているのでしょう。
マルフジの藤井専務は中四国地方の多くの工務店の
断熱・気密工事の請負や気密測定・指導もしています。
多くの経験からの言葉は「時間と手間をかければもっと
高い数値は出せるが、これ以上やってもメリットがない。
一定の気密が出れば、あとは欠陥になるような箇所が
無いこと。気密測定はそれを探すのが目的。」というもの。
ここを誤解されると、うちはC値0.1以下だ、やれ0.08だと
いう話になってきます。
それより、この中間気密測定の状態から完成時までに
穴を開けたり機器を取り付けたりする場所があるので
そのあたりで欠陥を出さないように気を付け、問題なく
高気密のままお引渡しすることの方が重要です。
ネット上では、色々な人が好きなように書いていて
正確だったり間違っていたりと様々な情報が流れて
いるため、それだけでは何が正しいか判断ができません。
書籍にはよいものもありますが、特定の会社でしか
建てられなくなるよう誘導するような広告本も
たくさん混ざっています。
そして国の基準にも頼れない現状では、ご自身で実際の
建物や工事中も見て、何が正しいのかを判断できる
モノサシを手に入れて頂くしかないと思います。
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