熱血!!前先生 その2
前先生を連れて、翌日は1日あちこち回りました。
県内の某住宅会社さんも途中まで同行されると
いうことで、そちらの会社さんの展示場から。
こういった機会には、他社さんの建物も体感できるので
我々も勉強になります。
最近本当に増えている、基礎断熱+床下エアコンです。
昨年の冬の撮影は1日5邸ずつ、2日で10邸回って
かなり大変でしたが、今回も1日で5邸回ります。
当社のOB様のお宅も3邸含まれていますが、こちらは
全然暑くなく快適で、お邪魔すると出たくありません(笑)
B○Wが新車で買えそうな値段の広角・高解像度の
サーモカメラで淡々と撮影を続ける前先生。
そして今回は、事前に当社に送られてきた
大きなケースから不思議な機械が登場しました。
怪しいロボットのようにも見えますが、設置場所の
空気温度・輻射温度・相対湿度・気流(風速)の測定器です。
これに着衣量・作業量を設定すると、PMVおよび
PPDという、快適性を表す数値を表示してくれます。
例えばこのお宅では、
空気温度(上から3番目)は26.8度で、
放射温度(窓や壁や床からくる放射)は27.2度。
エアコンで空気温度を下げても、あまり窓が多すぎたり、
断熱・遮熱が低く、壁自体が熱くなっていると、放射温度
が高くなり不快になります。
また温度が低くても湿度が高いと不快ですし、その逆は
快適など、快適性は複合的に判定する必要があり、この
PMV測定器では1台で結論が出るので話が早いですね。
上の例では、PMVが+0.72、PPDが15.8。
「イスなどでじっとしていると快適ですが、作業量1の
設定なので少し仕事などをしていると暑く感じる程度ですね。
簡単に言うとPPD15.8は、100人いると15.8人が
不快と感じる指標です」と前先生。
確かに、このあと伺ったお宅のちょっと涼しい小屋裏が最も
快適という判定でしたので、設定により判定も変わります。
暑い・涼しい・暖かい・寒いという感覚には個人差があるので
確率的な表現ですが、このように数値化することで、共通した
物差しを設定するとわかりやすいです。
また、窓の外にシェードをつけているOB様邸にも
お邪魔しました。
取り付け作業時の写真ですが、窓の外に
取り付けるタイプです。
(この商品はYKKAPのアウターシェードです)
これが、日射熱を81%カットするのですが、
内側から見ると、こんなに明るい!!
実は私の自宅でホームセンターで購入した安価なものを
つけていたことはあるのですが、⇒ 当時のブログ
中が暗くなりすぎて不評なので辞めたのですが、
やはり本物は違います・・・
ちなみにシェードを開くとこんなに日射熱が入ります。
もちろん、この環境も測定されていました。
先程の放射温度が全く違ったはずですが、
またその結果は教えて頂くことになりました。
今回、時間のない中で5邸を案内しましたが、どこでも
黙々とデータを測り、サーモ画像を撮影し、方位を確認したり
照度計で明るさを測ったり、お施主様にヒアリングをしたり・・・
必要なデータを黙々と、淡々と集めていきます。
そして最後に大手ビルダーの物件の撮影に入りました。
こちらは天井断熱だったため、点検口から天井裏を
撮影したいとのこと。
ちょうど日が当たってて、天井裏はかなり暑い時間帯ですが
お施主様のOKを頂くと、構わず上がり始める前先生。
そういえば一昨年の夏も同じ光景を見たような・・・⇒ その時の記事
屋根の裏面が40度を超えていたそうですが、
この状態で10分ほど撮影を続け、汗びっしょりで
降りてこられました。
そして暑いの一言もなく撮影結果を確認します。
本当に熱心ですね・・・
この日は朝9時から夕方6時まで撮影に走り続け、
そのまま岡山空港までお送りしてお別れでしたが、
車中でいろいろと話ができました。
セミナーで話されていた通りで
「100%の家が性能を持つようになってほしい、
自分が全ての解を持っているわけではないが、
温熱環境に関してはできる限りサポートしていく。
住宅業界にも優秀な人は沢山いる。いろいろな人と
一緒にやっていきたい」
と静かに燃えておられました。
このような動機もあり、行動も具体的で発信力もあるので、
業界では引っ張りだこになるのもうなづけます。
このような熱い先生も何人かいらっしゃるのですが、でも、
工務店や住宅会社向けのセミナーって、「聞いておしまい」
ということも多いんです。
そしてなぜか国のルールは抜け道があるので、現状では
消費者(お施主様)が知識をつけて目を光らせて自己防衛する
必要があります。前先生には一般メディアにもガンガン出て
欲しいくらいです。でも気密がないと断熱の意味がないよ、
などという内容は、メジャーなメディアには流れないでしょうね・・・
将来は、前先生をはじめとする熱い先生方のこのような活動や
弊社のラジオなどによって、多くの住宅会社が家には本当の
性能を持たせなければ、と思うようになって欲しいと思います。
方向性が似ていて、思いが強く、行動力のある方にお会いできて、
とても元気づけられた二日間でした。
撮影にご協力いただいたお施主様にも心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました!!
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