米国視察(2)展示関連

2014/09/22
米国視察の内容を、いくつかご紹介したいと思います。

まずは、初日から3日間、商品が展示されていた

展示ブースの様子です。

 

ホテルのイベントルーム一室と、通路を使って、

メーカーや販社が様々な展示をしています。

ところが、初日(夕方のオープニングレセプションのみ)の

展示開始の5時になっても、ぼちぼち準備しているといった雰囲気。

日本なら、開始時刻にはピシッと製品と人が並んでいそうですが、

とてものんびりしています。この辺はカルチャーの違いでしょうか ・・・

 

そんな中、同行の芝池先生は展示が始まっているブースで

情報収集。私も横で何とか聞き取るように頑張ります。

高気密・高断熱・省エネ・省CO2を目的とした

パッシブハウスの会議場だけあって、展示物は

そういう分野の物ばかりです。

外壁材や、内装材、キッチンやバスなどの設備は

一切ありません。

 

ペアやトリプルガラスの高断熱サッシが沢山。

こちらは樹脂・・・ではなく、グラフファイバー製。

サッシ内にも断熱材が埋め込まれています。

 

下は木製。外部は紫外線や風雨での劣化を防ぐため

アルミでおおわれています。

 

下は、外断熱用の断熱材を止める部材(グラスファイバー製?)です。

パッシブハウスは外断熱が多く見られますが、壁の外側に断熱材を

固定する部材はそのまま熱を伝えてしまう橋(熱橋)にもなるので、

形状や大きさも様々検討されているようです。

後日のセッションにもそういった内容の発表がありました。

 

透湿防水シートや、テープ類もいくつかありました。

断熱、気密、水蒸気の問題 ・・・ ここでは常識のようです。

 

そして、多かったのが、ダクト式の熱交換型換気システム。

パッシブハウスではほとんどこれを使うのではないでしょうか。

事例等でも当たり前のように入っていました。

とても大きいものが多いです。

 

当社では色々調査、検討した現時点の結論では、

岡山県中部~南部あたりの気候では、熱交換機は熱を回収するメリットより

初期費用、電気代、ダクト内の清掃などの手間等のデメリットの方が

大きいと判断し、熱交換なしの第三種換気を採用しています。

 

寒冷地などでは熱交換のメリットの方が大きい場合もあるかと思いますが、

設備の寿命、メンテナンスなど総合的な情報から採用を判断して

行きたいですね。

 

最後に、一つ買って帰りたかったな~というものがありました。

下の写真のものですが、これは何でしょう?

正解は、気密測定器です。

コンパクトですが、パワーがあり、安価(40万くらい?)だそうです。

日本で国交省お墨付きの大きい物を買うと200万くらいだそうで、お買い得かと。

 

当社は、自社の施工精度確認のために気密測定を全棟行っているので、

別に国交省のお墨付きは要りません。(どちらにせよ、現在、お墨付きの意味は

あまりないのです。それは、現在だけでなく、2020年義務化の省エネ基準でさえ、

気密性能についての規定がなく、公的に気密測定の数値を使う場がないため。

何故でしょう?大切なことなのに・・・)

 

また、日本の気密測定は、室内外の気圧差を10パスカルで行いますが、

欧米では50パスカルまで気圧差をつけ、日本は吹き出し(建物内の気圧を下げる)

のみで行いますが、欧米では吹き出しと吸込みの両方で行うそうで、

よりシビアな気密測定ができるではありませんか!!

という良い話も多かったのですが、それなりの金額ですし、海外製で

日本の代理店もないので、故障した時の対応なども含めて考え、

即購入は躊躇してしまいました。

 

さて、この夕方からの展示ブース、実は立食も兼ねていて、

見る側だけでなく、展示している説明員の人々も食事や

ビールを飲みながら、相互にお話ししているという、

展示会兼懇親会という日本ではちょっと見られない光景を見ました。

 

また、説明員の中には赤ちゃんを終始抱っこしている方も。

日本でもこれくらいオープンで柔軟な雰囲気があればいいですね・・・

 

というわけで、この展示ブースの御紹介でした。

先日の東京での建材展と比較しどうだったかと申しますと、

日本で同様の物を全く見なかったのは気密測定器だけでした。

(でもこれが一番欲しかった)

 

日本にもパッシブハウスレベルのことを行うために

必要な輸入製品は相当数入ってきていることを感じます。

ただ、やはり日本で気密をないがしろされていることも実感。

後でツケを払うことにならなければよいのですが ・・・

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