雨漏り事故の原因は・・・

2012/11/09
雨漏り事故の抑制に

第三者の検査機関が力を入れてきています。

 

2012年11月5日の 業界紙 「日本住宅新聞」 によると

「住宅瑕疵担保保証」 の1年あたりの全契約数の約0.1%の割合で

事故が発生し、その約90%が雨漏り事故であることから

その事故原因を調査したとのこと。

 

その結果、事故の原因を要約すると

住宅のデザインに行きつくことが判明。

 

雨漏りデザインの3要素は

「シンプルモダン」

「片流れ屋根」

「屋根の棟形状」

だそうです。

 

 

シンプルモダンと呼ばれる 真四角の屋根のない

箱。すっきりしていて 20~30代の人気が高い。

もちろん庇(ひさし)は無く、外部に面する開口部(窓)は少ない。

 

 


片流れ屋根。 刀でスパッと切ったような屋根形状。

極端に庇が短く、ほとんどが「ガルバニウム鋼板」の

いわばトタン屋根。(にちかい)

こちらも20~30代に人気があります。

 

 

 

写真は寄棟で軒の出もしっかりある立派な建物ですが

幾重にも屋根が複雑にかかったり

外壁面に接する部分が多くなると

雨漏りのリスクが高くなってきます。

 

雨が普通の量で降っているときでも

風が強かったりすると、雨水は下から上に

上っていきます。

 

また、全ての外壁を含む外部に面した部材の

隙間を「コーキング」で埋めるという施工方法も

雨漏りの原因となります。

 

四国高知県では、雨は360°から降ってくる。

と、地元の方は言います。

 

渦をまく強風が、地面から空に向かって。

真横から すさまじいスピードで。。。

 

このような地域では、余程の対策と万全の施工を

していなければ、新築でもあっという間に

雨漏りを起こしてしまいます。

 

昔と違った、ここ数年で急激に増えてきた

上記のようなデザイン。

 

いくら流行りでも、かっこいいと感じても

雨漏りのする家に 長い住宅ローンは払いたくないですよね。

 

検査機関は、防水シートや板金の立ち上がり寸法

通気層を設けた外壁、壁と屋根(とくに短い軒の場合)の

「取り合い部分」の施工状況を今まで以上に厳しく見ていくことでしょう。

 

 

これから家創りを始める方々には

なんで三角の屋根が何千年と日本で採用され続けているのか?

なんで、「瓦」が同じく永きに渡り使われ続けているのか?

30年、40年以上前から 住宅用として耐久性に

問題がないと証明されている素材以外は

大切な屋根に使用しない。ということを

考えてほしいと思います。(・・・と言うことは、安易な太陽光パネル

設置もリスクは高い)

 

私たち業界の人間も、「ウケるから」「売れるから」

「おしゃれだから」といった 安易な考えだけでなく

そんなデザインでもここまでしなければならない。

そうでなければ、お客様を説得してでも

デザインより実用・安全・安心を確保するように

コストアップも含め きちんとした仕事で

家を残していかなければ。。。と考えて欲しいと

思います。

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

*

CAPTCHA