コスミックの家は「空気」のようなもの。快適だからこそ何も意識しない。
岡山市/S様
「住宅会社ありき」ではなく「自分たちありき」。
― 家を建てようとお考えになったきっかけをお聞かせ下さい。
ご主人様:仕事柄、転勤が多くて、今までなかなかどこに落着くとかいう状況ではなかったんだけど、岡山に住むということを決めたので「終の住処」をと考えました。
家内の実家が岡山でもあったし、娘がこちらの大学進学になったので岡山に住むのを決める丁度いい機会になりました。
―住宅会社選びはどのように進められたのでしょうか?
ご主人様:まず大手のI社を最初に訪ねました。予算を言って色々と話をしていたら「この予算でしたらこの程度の家になります」と言われて、これは違うなと思い、お付合いはやめました。
要は、土地も探していたので、トータルの予算を言ってそこから逆算していくと、「まず家にはこれくらい掛かる、とすると買える土地はこの程度、住める地域はこの辺りになりますよ」ということだったので、これでは自分たちの目指すものとちょっと違うんだろうなと感じたということです。
つまり住宅会社ありきじゃなくて、自分たちが住みたい所がまずありきだなと、考え方を変えました。
―そこから他の住宅会社選びは?
ご主人様:住宅展示場も行きましたし、大手のS社も行きました。あと、関東ではわりと知られている鉄骨系で外断熱をしている会社とかにも興味を持っていました。
でも色々と見て話もしたんだけど「帯に短したすきに長し」というか、ぴったりする感じがなかったですね。それと、それぞれの会社で強みは言われるんだけど、弱みに関しては明確な回答がない。強みだけを強調してその部分だけで他社を攻撃したりする話が多かった。まあ住宅会社とすれば「ウリ」の部分を強調するのは当然なんですけどね。
デザイン以前に、素材や技術にしっかりとした知見がある会社を。
―どのような住宅を理想に思われていたのでしょうか?
ご主人様:家の理想というか住宅会社に対してですが、昭和以降のいわゆる現代的な「家の技術」ってそんなに歴史があるわけではないじゃないですか。そうすると流行の技術なんかも短期間で変化している。当時でいいものがちょっとすると陳腐化したりする。だから流行りとか人気じゃなく、素材や技術に知見をしっかり持っている会社と相談したいという思いはありました。間取りだとかデザインの話以前にということです。
―コスミック・ガーデンはどこで知られたのですか?
ご主人様:色々と見て、もう家を建てるのやめようかな(笑)と思い始めていた頃ですが、KG情報の家づくりカウンターで住宅会社を紹介してくれるということで、自分の思っているいきさつを話したら「あなたの考えだったらコスミックさんかあと一社くらいでしょう」と紹介されました。
それでその足でコスミックさんの事務所を訪ねました。
―その時のお話や印象は?
ご主人様:社長さんがとても熱心でしたね。家を建てるとか建てないとかの話ではなく、家の技術論のような話で、社長の家に対する理論の展開でした。
でも理に適っていると思いました。今まで疑問に思っていたことがストっと落ちたという感じでしたね。
会社の規模と裏腹に、大手に感じるギャップ。
―大手と比べて会社の規模などはどうお感じになりましたか?
ご主人様:確かに地域の工務店ですし規模も大手に比べれば小さいですが、逆にね、大手の展示場と実際に造っている家との落差が大きいというのを今まで色々と見てきて感じていましたから。
展示場では坪100万くらい掛けて見せる家にしても、実際建てようとすると諸事情で坪60~70万の家になる。やっぱり色んな面でギャップがあるわけですよ。それを最初に感じた時から、モデルルームをメインに家づくりを考えるとがっかりくるだろうと思っていました。
だから、むしろモデルルームを持たずに、建てた家、今建てている家を見せてくれる方がよっぽど信頼ができるという考えでした。
―コスミックの家を見られた印象は?
ご主人様:基本的にブレがないですよね。住まわれているお宅とか、現場、完成見学会とか何軒か見ましたけど、外装や内装のクロスなどいわゆる趣味の部分はそれぞれで違いはありますが、建てているモノの自体は、考えや技術にブレがないなというのが正直な印象でした。
趣味の部分にしても、見たお宅でこれは自分たちは違うなと思っても、それは逆に自由になるということだから、気にはなりませんでした。実際にクロスひとつにしても、よくあるのは「この中から選んで」というセミオーダーのメニュー形式的なものですが、コスミックさんの場合は何を選んでもいいですよ、そのかわり金額はこうなります。という自由度も高く、金額も含め、はっきりとした提示だったので考え易かったですね。
今、考えられるレベルでのベスト。
―最終的なコスミックの決め手、あるいは魅力は?
ご主人様:今の家を建てる中での技術・商品としてベストなチョイスをしてくれるなということです。自分たちの会社が展開する商品を無理矢理に勧めるのではなく、また近い将来、技術や素材も変わるかもしれないが、今考えられるレベルではベストな選択を提示してくれるなという信頼です。
それと提示されるものについてこちらが理解と選択ができるという点です。コストパフォーマンスで例えば外壁だとサイディングは安い。技術的にも確かだけど劣化はどうしてもこうなる。砂モルタルだと多少高いがライフサイクルコストはこうなる。といった具合にこちらが納得して選択できる判断材料を明確にしてくれたということです。
もちろん熱心さというのも基本にあります。熱心さというのが商品知識についてですが、例えば展示場とかいってセールスポイントの話はできても、それ以外でこちらが疑問に思うことを聞いてもほとんど答えてくれなかった。回答の準備もされていない。そういう商品知識の人とやりとりをしてもむなしいわけですよ。
ところがコスミックさんは何か一つに対しても、自分たちはこう考えるからこうするという商品知識がはっきりしていた。家に対する考えがはっきりしていたというのは基本ですね。
―実際の建築に当たってのご要望はどのように?
ご主人様:間取りなどは家内に任せていたのですが、私からは「錆びない材料」を要望しました。例えば電気工事の引き込みの箇所は標準装備だと亜鉛メッキとかクロームメッキとか使われるんだけど、そこをステンレスでとかお願いしました。
奥様:私はキッチンがね、南向きで広くて、オープンキッチンのアイランド型にしたかったんだけど、山田君(コスミック担当者)に却下されちゃったの(笑)。まあ金額、構造、坪数、他の間取りとか色々な事情でしかたなかったんですけどね。
結果論だけど、私は建物と、このしっかりさと、壁のクロスと、山田君の熱心さと誠実さには満足(笑)してるんだけど、レイアウトにはちょっとね・・あくまで金銭的なことを抜きにすればの話でね、今だに言うとパパに怒られるの(笑)。
ご主人様:間取りの検討に関しては紆余曲折があってね、ローン契約や土地の決済期限や駐車スペースや色々なからみがあって、構造上のことだけでもなかったんですけどね。まあ結果的にはこれでいこうにはなったんです。
職人さんも構造も、「考え方」が違う。
―建築中に印象に残っていることは?
ご主人様:大工さんが手間請けじゃないんですよ。だからちょっとアレしてこうしてという部分も聞いてくれましたね。
ローコストでやってるある会社なんかは現場にカメラがあって、お客さんには情報カメラになるんだろうけど、ある意味職人さんの監視カメラにもなってる。あれを見ると思うんだけど、人間の働く意欲って、信頼されていいものをつくりたいと思えば100%以上に力を出そうと思うじゃないですか、まして職人さんなら尚更のこと。だからそういう契約状態とか働く環境も大切だなと感じましたね。
それと以前、他社の2×4を見にいったことがあるんですが、使う材料の数量が全然違いましたね。それも印象的に思ったんですが、2×4といっても単に基本ルールがあるだけで、どこにどれだけ材料を使うかは設計者の判断になる。最小限にすることもできるし、より頑丈にすることもできる。コスミックさんのより頑丈にする考えが、目で見ても確かめられる部分でした。
「空気」のようなもの。快適なら何も意識しない。
―ご入居されて住み心地はいかがですか?
ご主人様:昨年の2月に入居だったんですが、まず新築臭がしないねと。それと寒くない暑くないという快適さですね。
奥様:真冬でも、ほとんどリビングのエアコン1台で他の暖房なしで大丈夫でしたね。真夏は寝る前に寝室のエアコンをつけたりしますけど基本はエアコン1台で快適です。
ご主人様:エアコンはつけっぱなしにしているんだけど、うちはオール電化で、太陽光発電システムを後付けしたんだけど、電気代は設備ローンを含めて真夏でも売電込みで差し引き3,000円くらいの払いです。これも断熱性能があればこその数字だと思います。家の性能がないと省エネ設備の効果も出ないでしょう。
―他に気に入られているところは?
ご主人様:フローリングとかドアとか無垢材を使えたのは良かったですね。コスミックさんでは材質の変更を考えてもボンと数字が上がったりするのでなく、細かく金額提示されたのでアップグレードも考え易かったですね。
奥様:玄関を入ったところの壁紙とか、クロスは全般気に入ってます。
ご主人様:まあ細部を言えばいいところ、こうすれば良かったところ色々あるわけですが、結局のところ「空気」のような感じです。家に帰ってくるのが楽しいし、これがいいあれが悪いではなく、単純に「ここに居るのが気持ちいいよね」ということ。それが家の本来の姿かなと思います。
特に思い入れをしてここはこうしたんだとかいう気に入り方ではなく、今この家で時間を過ごせるのがいいよね。という感じです。不快なら何かを意識しないといけないけれど、ニオイもしない、寒くもないし暑くもない。快適だから何も意識しない。ほんと空気です。そこには社長さんの言っていた基本性能が貢献しているんじゃないかなと思います。
―最後にこれから家を建てる方にアドバイスを頂けますか?
ご主人様:やっぱり楽しんだらいいと思いますね。知識にしてもその場しのぎの勉強になるかもしれないけど、少なくとも「何でこうするのか」ということには得心して、後から「何で?」と後悔のないように建てて欲しいと思います。
それと大手さんは勢いで話が進む場合もありますし、フランチャイズ系の住宅会社なら責任の所在がどうなるのかなども確かめた方がいいでしょう。どの会社で建てるにしても、「顔が見えるところ」と納得がいく相談をして欲しいですね。
奥様:図面だけでは分かりにくい部分もあるので実際のものを見て確かめて、自分のイメージを大切に考えて欲しいと思います。
―S様、本日はお忙しい中、有難うございました。
(H25年7月取材)
誰でも「家づくり」といえば、まず展示場、大手モデルハウスも目にする。当然それも大切な情報だが、S様のお話は、その上で、何が自分たちにとって合う合わないのかの判断と、「本物」を見ることの大切さ。そして自分たちが家や住宅会社に何を求めるのかという基準を持つことの大切さを痛感する。本来の家づくりは「住宅会社の都合ではない」、しかしだからこそ、家を建てる人の「思い・信念」が要になるのだと感じた。
(聞き手:コピーライター岡本慶与)