熱交換換気は冷・暖・換気トータルで評価を

2015/08/20
先日、高松で換気のセミナーに参加したという

ご報告を簡単に書かせて頂いておりました。

 

その時に講師をされていた高知工科大学の

田島准教授が、先月、東京都内で開催された

シンポジウムで発表されていた様子が、

今月の日経ホームビルダーに掲載されていました。

 

 

国土交通省で研究員されていた方で、高松のセミナーの内容は

実践、実測を主としたとても現実的で興味深いものでした。

 

今回の記事でも、掃除ができないと換気性能が下がり

換気量が減るため、掃除のしやすい設備であることが

重要とあります。

 

他に、高松のセミナーでも聞いた熱交換換気のメリットに

関するお話が載っていました。(こっちが本題です)

 

熱交換換気は、暖房の助けにはなりますが、

暖房・冷房・換気システムの全ての消費エネルギーの

合計で評価しなければならない、というものです。

 

田島准教授のシミュレーションでは、東京の気候で

消費エネルギーを試算すると、熱交換換気が第三種換気

を上回るという結果が出ています。

 

当社での試算でも初期費用の差額を回収するには

数十年かかる(その前にシステムの寿命が来るのでは・・・)

という結果になっています。

 

熱交換換気がお得とお考えの方は、

「外が0℃、中が20℃の時、第三種換気だったら0℃の

空気が入って来るところ、熱交換すると18℃の空気が

入ってくるから、暖房エネルギーの節約になる」

という理解をされているかと思います。

 

上の説明自体に間違いはありません。

しかし、トータルで考えてみて頂きたいと思います。

 

・18℃差がついている状態が、ひと冬に何時間あるのか。

・結局、ひと冬でどのくらい暖房の電力が削減できるのか。

・熱交換すること自体がデメリットになる時期はないのか。

 

・熱交換換気システムを動かす電力はどれくらいか。

それを差し引いて、結局1年間で幾ら電気代が減るのか。

 

・大掛かりな熱交換換気システムを導入する費用を、

何年で回収することになるのか。それまで機器が持つのか。

 

以前、ある全国区のメーカーの方と話していた所、

「東北など寒い地域でも、熱交換と三種が半々くらいかなと

いう印象なのに、中四国では熱交換、熱交換と言っている

会社さんが多いように思います。」

と言われました。

 

換気は、住環境を快適に保つために必須のものです。

当社は熱交換に第三種換気を覆すほどのメリットがないと

判断し、シンプルでメンテナンスも容易な第三種換気を

採用していますが、熱交換を検討される場合は、細かい

機能に目を奪われず、1年間トータル、またシステムの

寿命までの消費エネルギーやメンテナンスなども考慮の上、

ご判断いただくべきと思います。

 

P.S.

過去の気温データをお知りになりたい方は、気象庁のサイトが便利です。

気象庁の過去の気象データ検索サイト

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