どんな加湿器が必要?
加湿にはどの程度の加湿器が必要となるのか
計算してみましょう。
私の感覚で言えば、室温が21℃〜24℃程度であれば
室内の相対湿度は、40%有れば十分であり 50%以下であっても
問題は無いと思いますし、一時的に38%程度に下降しても
問題ないと思います。
それでは、そのために加湿器の選定に必要となるのは
1時間当たりどの程度の水分量を室内に 蒸散(加湿)する
必要なのかを算出することです。
室内の湿度が下がるのは、換気により冬の湿気の少ない
外気が入り、室内の空気(外気より湿気が多い)が
排出されるためです。
ここで、室内の湿度を下げない為には、換気により
排出された室内空気の水分と、流入した外気の水分量の差に
あたる水分量を室内に蒸散(加湿)させれば良いと言うことです。
では、その水分量を計算します。
そのためには、1時間当たりの換気量と
その換気により排出される水分量と、流入する水分量の数値が必要となります。
ここで、換気量はどの程度必要なのでしょう?
国の基準では 「住宅全体の空気が2時間で1度入れ替わる量が必要だ。」
となっています。
しかし、様々な情報からすると、室内の二酸化炭素(CO²)濃度が
1000ppmを超えなければ大丈夫であり、
そのために必要となるのは 1時間に一人当たり 約30㎥ の
換気が有れば十分です。
4人家族であれば、30×4=120㎥となります。
それでは、4人家族を想定して加湿量を算出します。
冬のある日を考えて、室内空気の湿度を 20℃。相対湿度を50%とすると、
1㎥の室内空気に含まれる水分量は約8g(cc)
外気の温度を5℃、 相対湿度60%とすると、
1㎥の空気当たり 5g(cc)となります。
ここで、4人家族なので、1時間120㎥の換気が必要となるので
室内の相対湿度 50%を 維持するために必要となる
水分量は 5g×120㎥=600g(cc) となります。
よって、1時間600cc の加湿能力のある
加湿器で住宅全体を加湿出来ることになります。
実際に家全体を加湿する場合、1時間600cc以上の
加湿能力のある加湿器1台だと、加湿器の水タンクの
容量により、1日数回の水の補給が必要となることと、
家の中で湿度の偏りが生じる可能性があるので
2階建て住宅であれば各階1台づつの2台を分散させて設置することを
お勧めします。
また、高気密性能の住宅であれば、 漏気(すきま風)が無いので
上記の様に換気量を換気扇によって
確実に制御出来るのですが、
気密性能の低い住宅では、ドンドンすきま風が
侵入する為 1〜2台の加湿器では
住宅全体を加湿することは ほぼ不可能となります。
ここで必要となる気密性能は、C値だと 0.5㎠/㎡ 以下と考えられます。
加湿に関しても、高気密性能は非常に重要となります。
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