ドイツに学ぶ(1)

2013/11/18
皆様、こんにちは。

先週は、珍しく出張が重なり、ほとんど会社におりませんでした。

その内容を少しご紹介いたします。

 

出張の一つ目は、以前導入した

WUFI(非定常熱湿気同時移動解析プログラム)の

日本での本格的な実習セミナーです。

※WUFIのご紹介の過去のブログ → その1 その2

関東の通勤ラッシュに巻き込まれながら、

浜松町駅から東京タワー横の機械振興会館へ向かいます。

 

セミナーでは、60年以上前から実験棟などを建てて

建材の環境に対する変化を測定し、研究を続けている

フラウンホーファー建築物理研究所から講師の方が来日。

 

ドイツ語の講義ですが、大学で単位を取ったにも関わらず

全く分かりません。同じ研究所の日本人の方が同時通訳しつつ

講義が行われました。

 

WUFIというツールの使い方の説明が主ですが、

ドイツの研究所での検証事例なども公開されました。

 

特に、ドイツは外断熱が中心です。

構造の外側の断熱材にどのような断熱材を使用すると、

内部の湿気が逃げにくいかや、窓の施工に不備があり、

構造の内部に突然水が入った場合にも安全に蒸散するか

等のシミュレーション結果も紹介されていました。

 

また、日本でも特にWUFIを用いて多くの検証を

行っている、京都繊維工業大学の芝池准教授からも

研究発表がありました。

テーマは、現場発泡ウレタンのうち、

当社も使っている30倍発泡のものと、

最近急速に数の増えている100倍発泡とで

カビの発生率の比較のシミュレーション。

 

弊社ではWUFIを導入した後すぐに同じシミュレーションを

していたので結果は同じでしたが、やはり100倍発泡の方が

湿気を通しやすく、壁構造を誤ると水分の含有量が増えて

カビの発生のリスクが高まるという結果でした。

 

他にも、凍害(壁の中の水分が凍結して壁が割れたりするなど)

や屋上緑化のケースなども報告されました。

すぐに使える事例ではありませんが、水の処理や日射の考え方等

参考になる内容でした。

 

WUFIの使い方も参考になりましたが、もう一つ、印象深かったのは

やはり「水」はとても扱いが難しいことと、そこから目をそらさず

住宅をはじめとした建物のために、検証する機関を設けている

ドイツの国としての姿勢でした。

 

そんなことを思いながら、重いパソコンを担いで飛行機で

帰って参りました。

 

先週2つ目のセミナーは、広島です。

こちらでもドイツを見習う、という話が多く、

日本とドイツの姿勢の差を感じずにはいられませんでした。

 

次回、ご報告させて頂きます。

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

*

CAPTCHA