二種換気の実装(2)
前回ご紹介した通り、①で外気を入れ続け、
押された空気が各部屋から排気されるので、
建物内は外部より気圧が高い「正圧」になっています。
ホントにそうなっているのか?いくらなっているのか?
を確認するために登場したのが、マノメーター(差圧系)です。
今回、検証のため購入しました。
右(赤)と左(青)の口に接する気圧の差を図ります。
今回は右の赤は室内に、左の青はチューブを取り付け、
家の外の空気にさらします。
・・・とは言っても、高気密住宅ですから、どこにでも
隙間がありません。今回は排気口を1つ使ってチューブを
外気に触れさせることにしました。
厳密には排気口が一つ減ってしまいますが、このように
して外と室内の差圧を図ったところ、
+6Pa(パスカル)ということで、きちんと正圧です。
気密がとれておらずスカスカだとここまで圧力が上がらない
ところだと思います(窓を開けるとゼロになります)。
キチンと高気密になってます。
ここで1台、トイレの換気扇をONにして排気すると+3Pa、
2台排気すると̟0Paといった差圧になりました。
ちなみに今回のお宅のトイレの排気ファンは人感センサーが
使える様にし、入室後5分のみONにすることもできます。
また、二種換気を止め、三種換気に戻した時の圧力も測ってみました。
二種換気の給気を停止してシャッターを閉め、
上の絵のようにトイレやクローゼットなどの
排気ファンをONにすると、「負圧」になります。
2台の排気ファンを動かした場合は、-3から4Pa、
5台動かすと-10Paのマイナス圧となりました。
これまたキチンと負圧になり、フィルター付きの
給気口から導入できています。
さて、精緻な数値を確認しているようにも見えますが、
そこは住宅、ざっくりした面があることも否めません。
二種換気で正圧です、と申し上げましたが、一瞬で
そのバランスが崩れることがあります。
それが、料理の際に使われるレンジフードの排気です。
レンジファンはトイレなどの排気ファンの10倍前後の
排気量があります。
二種換気を動かした状態(+6Paと上述した状態)で
レンジファンを「強」運転すると、-28Paの超負圧、
「ターボ」運転があったのでそれにすると、-36Pa
まで建物内の気圧が下がりました。気密測定している
くらいの圧力差です。
※負圧になるのを防ぐために「同時給排型」という
レンジフードがありますが、今回はそれを採用しています。
1日のうち、料理する時間だけは一種換気であろうが
二種換気であろうが、負圧の三種換気状態になっている
ことは否めません。
住宅にはこういったアナログな面もついて回るので、
今回、その状況も想定した構成も必要です。
そのあたりも含めて、また長くなりそうなので
次回にとさせて頂きます。
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