悪い情報が出にくい業界
実機同士で走行テストやベンチマークテストをして、長所も短所も
つつみ隠さず、消費者に伝える雑誌やメディアがありますよね。
こういったものが、住宅業界にはないなぁ、という話を
たまに会社でします。
でも、情報や事例はあるみたいです。
それを載せて、広告料ではなく消費者からの雑誌の購入代金で
やっていこうという雑誌などのメディアが無いだけです。
業界紙の下のような記事を見ると、しみじみそれを感じます。
今月の特集記事は「軒ゼロ住宅の雨漏り・結露」という内容。
築一年で壁の中の湿度が異常に高くなり、コンセントのところから
カビの匂いがしてきたという事例が載っていました。
壁の中から水分が逃げなかったのは、壁の構造自体に原因が
あったためですが、短期間に壁の中に大量の水分が侵入した原因は、
屋根の軒が無かったからで、軒があった壁面はそれほどひどくなかった
というレポートです。
他にも、軒と壁との間の施工に問題があると、水が入り易いという
事例など、軒のない住宅のリスクが高いことを示す例が載っています。
こんな話、住宅を建てる時には聞きませんよね・・・
でも、建てて住み始めてから問題に直面している人もいるわけで、
業界紙に限ってこういった情報が載るのは残念だという思いです。
また、こういった業界紙は、トラブル事例であおるのではなく、
このあと、対策記事もしっかり載っていました。
軒ゼロで、徹底的に防水処理を施すための施工事例です。
(それでも軒が無いと壁には優しくないのでしょうが・・・)
車や携帯電話などは、何度か買い替えるので、失敗したら
次に失敗しないために情報を集めようとするので、そのような
雑誌が売れるのかもしれませんが、家は一度しか建てない方が大半で、
失敗経験もなく、新聞やテレビでも大きく扱われることは殆どないので、
なかなか敏感にはなれません。
折角楽しい家づくりの話をしているのに、デメリットや欠陥の話は夢が壊れますしね・・・
私も施主の時にプロ向けの業界紙を少し読んでみたことがありますが、
専門的すぎて、内容を理解してプロと渡り合うのは、とても無理だと感じました。
キチンとした知識が無く、見当違いにリスクだと騒ぐばかりでも
クレーマーのようになってしまいますし、難しいところです。
話が締まらなくなったのですが、結局は、消費者向けにこういった
情報が流れていない以上、業界のプロの方々がこういった勉強をして、
欠陥住宅を建てないよう努めて頂くのを祈るばかりです。
(今となっては自分も含めてですが)
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