温熱環境測り隊 2017夏の会
とても盛り沢山で密度も濃い出張に
なりました。
一番の目的は、2日目の東京大学の
「温熱環境測り隊」の発表会です。
夏・冬・夏で今回3回目になります。
以前からブログをお読みいただいている方は
覚えて頂いているかもしれませんが、全国の
高気密高断熱の工務店が、色々な物件の
温度・湿度等を測定して情報共有するのが
「温熱環境測り隊」です。
第1回は工学部建築学科の前准教授が温度、
ではなく音頭を取って全国から6社を集めて
情報共有しましたが、第2回からは前先生が
監修している温熱環境設計ソフトのメーカー
インテグラルさんが取りまとめをされ、
参加企業も20社以上になりました。
今回は弊社代表の藤井が来られず、今年OB施主から
社員になった若手ホープの内藤と二人で東京大学へ。
いつもは、東大の正門から入っていましたが、
今回は会場が変更になった関係で、初めて
赤門から入りました。
つい、おのぼりさんな写真を撮ってしまいます。
会では、まずインテグラルさんから協力依頼をされた
東北から四国までの20社28物件の測定結果の
集計結果の発表です。
前回は冬の結果、今回は夏の測定結果でした。
各社さん、様々な仕様で建てられています。
温度、湿度の分布も様々ですが、C値は
0.5以下が多く、皆さん高気密です。
それにしても基礎断熱の建物が多い。
次に、測り隊4社の発表ということで、
コスミックは2番目。
測定にご協力いただいたお施主様宅と、
藤井邸のデータを発表しました。
全国の住宅会社の社長さんが大勢聞いているので、
正直緊張しましたが、ナントカ伝えたいことは
お伝えすることができました。
測り隊の発表の後は、前先生からのお話です。
これが、いつも中身が濃いです。
温熱環境に関する最新の研究成果や、
規格、基準を決めているエライ人々に
直接聞いた話を教えて頂けたり、、、
「皆さんのミッションは、住む人があとで困らない
安心できる家をリーズナブルに提供すること」
「UA値は設計途中の数値の一つでしかない」
「温度、湿度も絶対にこれが快適という決まりは
ありません。住む人それぞれの正解のない話」
と、どうしても会社を維持するために、宣伝ネタを
探し商売に走りがちな業界に向けた、方向修正の
提言が続きます。
どの業界でも同じですが、商売の意識が強くなると、
消費者に対して専門的でそれらしい数値やエビデンスを
提示しまくり、それが絶対であるという世界に陥り、
またそこで学者などが登場して「この先生がこう
言っているから」という後光宣伝があふれたりします。
自分たちで検証をして答えを探すことなく、
教祖をまつりたてて、教祖の言うことを
「よりどころ」として商売をするのは、
信者側も悪いんです、という前先生。
前先生はあくまで全国の工務店をサポートする立場。
ゆるいつながりで、教祖も信者もなく、気軽に
情報共有できるという場にしたいということです。
誰かが作り上げたうまい宣伝文句を見つけて、
思考停止して商売に走るのではなく、自分たちで
考え続けて住宅をよりよくしていくという正解のない
歩みを続けてほしいというメッセージが込められて
いました。(と受け止めました。)
今回初めて懇親会もあり、全国からいらっしゃった
工務店の方々と楽しく過ごすことができました。
皆さん、「絶対湿度」「空気線図」「PMV」など
という言葉も普通に使っておられました。
今後こういった工務店がどんどん増えてくると思います。
それぞれの地域で地場の住宅を守る工務店が、
お互いレベルアップしあえればと思える1日でした。
懇親会の場では、前先生に以前お願いしていた
計測器をお借りしたので、この冬はまたある
テーマを設定して、建物の測定を行います。
来年の会で、その情報を共有できるのが
今から楽しみです。
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