目に見えないものを写すカメラ
先日、このようなものをお借りしました。
ただのカメラではありません。
目には見えないものが撮影できるのです。
その名も、「赤外線サーモグラフィ装置 Thermo Shot(サーモ ショット) F30S」
といいます。
これで、我が家の深夜の私の寝室を撮影すると、こんなものが写ります。
ちょっと分かりにくいので、情報を追加します。
これは、一昨日、深夜0時ころに撮影した画像ですが、
カーテンに遮られつつも、窓からの冷気が壁をつたって降りているのが分かります。
この現象は、コールドドラフトと言われます。
と言っても、最も低い青色の場所でも16℃くらいで、ベッドの上は20℃ですので、
寒さは感じません。(画像の上の白い数字は、そのポイントの温度を表しています)
1階のエアコンのみ24時間運転しているだけで、2階のエアコンは一切
動かしていないのに、この家全体の保温性は大したものだと思います。
少し補足しますと、このサーモグラフィは「空気の温度」は撮影できません。
「物質の表面温度」を撮影しています。
ですので、上の画像は「冷気の温度」ではなく、「冷気が触れて温度が下がった
壁紙の温度」を撮影しているということになります。
・・・「温度を撮影」という日本語は、何か変ですね。
ついでに色々撮ってみましたので、何点かご紹介いたします。
まず、階段を上がった2階の廊下です。
窓のサッシ部分(樹脂)は、やはり外気の影響をある程度受けて
表面温度が下がっています。
また、ガラス面には薄いレースのカーテンをしているだけでも、
冷気を防いでいることが分かります。
また、上に行くほど温度が高いのも、こうして数字を見ると
わかりやすいです。
次に、トイレです。
ドアを開けて少し経過しているので、中は廊下の温かい空気が混ざり
17~18℃になっています。窓のサッシはやはり10℃弱ですが、
トイレの室内自体は寒くありません。
両脇のオレンジの部分は、廊下なので20℃あります。
次はピンボケで申し訳ありませんが、リビングから、
玄関ホールを撮影しました。
リビングは温かい(濃いピンク)のですが、玄関扉はアルミ製の引違い戸なので
10℃くらいまで下がっています。
また、我が家は、玄関ドアからの冷気がリビングに入らないように、
玄関ホールは締め切って、空気層を作っているので、トイレと同様に
リビングや廊下より2~3℃温度が低くなっています。
次に、和室の内障子を撮影してみました。
私もよく知らなかったのですが、内障子の引違いの2枚の隙間から冷気が
入ってきているように見えます。(青い色は障子自体の表面温度ですが)
でも、すぐ手前の畳は17度以上ありますし、そばの壁は20℃あります。
ウインターガーデンの中に入ってみました。
玄関ホールと同じく、寒いので殆ど締めて空気層にしているのと、
窓の面積が大変大きいので、16℃くらいになっています。
ちなみに、完全に締め切ると洗濯物の水分でものすごい結露が起こるので、
リビングとウインターガーデンとの間の掃出し窓は少し開けています。
(ここでさらに、外との間に換気扇があれば、洗濯物の乾きがよいのでは、と、
あるお客様と盛り上がったので、実験したいのですが、まだ着手できていません。
申し訳ございません。)
最後に、これは何を撮影したかと言いますと、鏡です。
冒頭にご紹介した名称のとおり、このカメラは赤外線カメラなので、
光を反射する鏡やガラスの温度は撮影できません。
上のウィンターガーデンの写真で、冷たいはずの窓の色が黄色いのですが、
これは室内側の壁のや洗濯物(の温度)が写っているからです。
また、残念ながら、アルミサッシ等の放射率の低いものも、正確に撮れないとのこと。
(正確には、放射率100%の設定で撮っているので、カメラの放射率の設定を
下げれば云々と説明を受けたのですが、この辺りは私もよくわかっていないので、
また勉強して出直します・・・)
長くなりましたが、このようなものも活用しながら、断熱気密をしていても
局所的に寒い原因や、目に見えていない温熱環境の調査をしたい・・・ということで
メーカーさんから借りたのですが、何と、この入門機でも、お値段が30万強。
購入するかどうかは、社内で検討中です。
とりあえず、1月26・27日の完成見学会までは借りることができたので、
見学会場でも、色々撮影して、デモンストレーションができればと思います。
ご興味のある方は、津高の見学会に是非お越しください。
長くなりましたが、サーモカメラのご紹介でした!!
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