陶器製の屋根瓦の最も大きなメリットは、生きてる間は全くメンテナンスが必要ないこと。これは歴史が証明しています。セラミック製外壁ツィーゲルも同様ですね。

陶器製の屋根瓦の最も大きなメリットは、生きてる間は全くメンテナンスが必要ないこと。これは歴史が証明しています。セラミック製外壁ツィーゲルも同様ですね。
特許取得セラミック製外壁「ツィーゲル」開発パートナー

株式会社デニック 専務取締役
神谷 雄平氏

「ツィーゲルは、屋根瓦と一緒なのでメンテナンスフリーですね。多分、生きてる間はメンテナンスが必要ない。ガルバリウムや塗り壁は、10年に1回くらい再塗装が必要で、1回150万円くらい平気でかかっちゃうから、結局高くなる。また、屋根と一緒なので、日光や音を遮ってくれる。遮熱と遮音性に優れてると思います。」

日本最大の生産量を誇る三州瓦の製造販売をしています。細かく言うと、瓦メーカーさんに「役瓦」という少し複雑な瓦を作って納品する仕事です。いわゆる協力会社ですね。「役瓦」は、軒先の部分の瓦や鬼瓦など、形状が複雑なので、完全自動でつくることができず手作業の工程が入る職人仕事です。

役瓦:棟や軒、袖、妻等の屋根の流れ面以外の特殊な箇所に使用される瓦の総称

屋根瓦の市場規模は昭和55年くらいがピークで約2000億円ほどありましたが、今では400億円程度に縮小してしまいました。需要が減った主な理由は2つです。

1つはスレート瓦やガルバリウムなどの別の屋根素材ができたこと。

2つ目は、風評被害です。「瓦は重いから台風や地震に弱い」という間違った報道がされてしまったんです。実際には、大地震で倒壊した家のほとんどは古い家だから必然的に瓦屋根だっただけなのに。台風被害も同様に古い家の問題。(全陶連:令和元年台風第15号による被害と瓦屋根の安全性について

本当は陶器製の屋根瓦が載っている家は、構造計算がちゃんとなされている強い家だと言えます。最初から瓦を載せてない家は構造が弱いので、後から瓦を載せることができません。

※下のフロアにある電気炉の熱を利用して瓦を乾している様子。

陶器製の屋根瓦の最も大きなメリットは、生きている間は全くメンテナンスが必要ないこと。これは歴史が証明してます。例えば、実家の瓦屋根のメンテナンスをした記憶がありますか?



あと、あまり知られてないのは、形のバリエーションも多いし、色もめちゃくちゃ多い。屋根でも家づくりを楽しむことができます。

※三州瓦は和風、洋風、南欧風など色や形に富んでいるのも特徴(栄四郎瓦展示場より)

もともとコスミックさんが他の瓦メーカーさんと付き合いがあったんですが、そこから「屋根瓦の素材で外壁を作りたいと言ってる会社がある」ということでコスミックさんの紹介を受けたんです。特殊な形状の役瓦を作るのに長けてる会社として紹介を受けたのが最初ですね。

瓦で外壁を作りたいという話を聞いて、そういう風に使えるのであれば、瓦の需要が広がるからいい話だなと思いました。瓦職人さんの仕事も増えますし。

※屋根瓦職人による外壁施工(セラミック製外壁ツィーゲルⅡ)の様子

セラミック製外壁ツィーゲルⅠ(リンク:自社開発ツィーゲル)は屋根にも壁にも使えるものを作ろうというコンセプトだったので、形状が結構複雑だったんです。瓦は焼くと変形します。特に粘土の中の水分量によって変形の度合いが変わる。水分が一番難しいんです。

何回も試行錯誤を繰り返しながら、粘土の水分量や、焼いた後の瓦の反りや曲がりのパターンをすべて導き出しました。そのパターン毎に、焼いた後の曲がりを想定して、あらかじめ反対方向に反らしておくなどの工夫をするんです。だいたい3か月くらいで一応使えるものができましたね。

※24時間フル稼働する電気炉。1200度の高温で瓦を焼き固めることで冷害に強くなる。

初めて外壁に施工された家を見たときは、良くも悪くも「すごいなー」と思ったのを覚えてます。良い意味では、鎧のような重厚感は他には無いなと。

悪い意味では、職人目線で、もっと整然とした正確な形に作るにはどうすればいいだろうと考えながら見てました。でも藤井社長は「若干の不揃いさが良い」というんです。そういった“遊び”や“あばれ”に趣があると。

なので、ツィーゲルⅡでは、わざと表面にカーブをつけてます。日光が外壁で反射する見た目の楽しさを作ろうと。藤井社長はそういった自然を大切にされる方なんです。

※セラミック製外壁ツィーゲルⅡの家。陶器の質感が醸し出す特有の味わいと重厚感を感じる玄関周り。

セラミック外壁ツィーゲルは、屋根瓦と一緒なのでメンテナンスフリーですね。多分、生きてる間はメンテナンスが必要ない。ガルバリウムや塗り壁は、10年に1回くらい再塗装が必要ですけど、1回150万円くらい平気でかかっちゃうから、結局高くなる。

また、屋根と一緒なので、日光や音を遮ってくれる。遮熱と遮音性に優れてると思います。

※セラミック製外壁ツィーゲルと乾式レンガ外壁は40年以降もメンテナンスが基本的には必要無い
※三州瓦とツィーゲルⅡ外壁の家。重厚な佇まいに加えて、屋根も外壁も50年以上メンテナンスの必要が無い。

私は、藤井社長のような、面白い方大好きなんです。発想が豊かでパワーに溢れている人。新しいものを生み出せる人。

家に対するこだわりや情熱は、そのままお客さんを思う気持ちとイコールだと思います。話の節々から、お客さんのことを思う気持ちが透けて見えますから。

屋根瓦は、実は完成されすぎてる商品なんです。メンテナンスもほぼ必要ないから、一生涯を通して考えると最も安くなりますから。

ハウスメーカーからしてみると、屋根瓦を載せなければ構造にもお金がかからないのでコストカットしたいんじゃないかなと勘ぐってしまう。実際、最上級モデルには陶器製の屋根瓦を使ってますしね。

あと、メンテナンスが頻繁に必要になる屋根や外壁を売ること自体が経営戦略になっている気もしてます。スレートやガルバリウムの屋根は、10年に1回くらいは再塗装などの定期的なメンテナンスが必要ですし、1回150万円くらい平気でかかりますから。人口も減ってきてるから、家の建築棟数が減っていくことを考えるとメンテナンス自体をビジネスにしたいというのが本音かもしれません。

※陶器瓦は圧倒的にライフサイクルコストが安く50年間メンテナンスフリー

メンテナンスについては積極的に説明する会社が少ないと思うので、事前にしっかりと説明を受けたほうがいいと思います。特に屋根や外壁のメンテナンス費用は百万単位で必要となるので非常に高額ですから。初期費用よりも、一生を通した費用を考えることをお勧めします。(リンク:後悔しない家づくり 大規模修繕を回避してライフサイクルコストを抑える)