高気密高断熱は温暖な地域でも必要なのか。
「岡山は温暖な気候だからそこまで高気密高断熱にこだわる事がないのではないか」よく私たちも耳にする言葉です。しかし冬を考えてみると11月~3月ぐらいまでの5ヶ月間は暖房器具を使用されると思います。これに冷房器具もあわせると1年の間で少なくとも3分の2の8ヶ月は冷暖房器具を使っているという事になります。
この時、器である家の性能がどうかという事が体感する温熱環境に大きく影響するのです。
「温度設定をしないと暖かくならない家」「暖房していない部屋は寒い家」「結露が発生する家」という事になってしまいます。
だから私たちは高気密高断熱は家の性能の標準として考える必要があると感じています。
では高気密高断熱住宅というのはどれくらいの効果があるのかご説明します。
高気密高断熱住宅は家全体を快適にしますので「40坪~50坪の家だとエアコン2台で全室冷暖房ができている」という状態を常時維持できます。
「快適性」を考えて見ましょう。通常人が体感できる温度というのは壁・天井の温度+空気の温度で計算されます。
(壁・天井の温度+空気の温度)÷2=体感温度
高気密高断熱住宅の場合は家全体を温めますので壁や天井の温度が下がらないのでエアコンの温度設定が低くても快適に感じます。ところが普通の住宅の場合は壁や天井が外気温度に伴って下がりますので暖かさを得ようとするとエアコンの温度設定をあげないといけなくなるわけです。しかも寒くなればなるほど今度はエアコン温度をあげますのでとても快適とは言えず、結露を起こす原因ともなるわけです。
エアコンをがんがん使って快適というのはなく家の中が春のような心地よさを保つ事で気持ちもよいし健康で家も長持ちするという事にも繋がってきます。
Q.「高気密高断熱住宅になっているかどうかを見極める方法はありますか」
A.住宅の温熱環境の性能を表す数値としてC値とQ値というものがあります。
C値とは、物の気密性能をあらわす値のこと延床面積あたりのすき間面積のことで、ゼロに近いほどすき間が少なく、気密性能が高い。
C値=2㎠/㎡以下
Q値とは熱損失計数をあらわす値のこと。保温性能を示す指標
家の内部と外気の温度差を1℃としたときに、家の内部から外へ逃げる時間当たりの熱量を床面積で割ったもので、単位はW/m2Kこの数字も小さいほど保温性が高い。
Q値=2W/㎡・K以下
熱損失計数=住宅から逃げる熱の総量÷延床面積
次世代省エネルギー基準と呼ばれるものが背景となっています。C値は気密測定と呼ばれ測定器を使用して行います。Q値は断熱材の種類や厚みなど家の仕様によって机上で計算されます。
まずこの数値を出しているかという事がひとつです。しかし計算数値イコール家の性能とはならないので注意は必要ですがクリアしていれば目安にはなります。
2つ目は真冬または真夏に行ってエアコンが何台あってそれで建物の隅から隅まで快適な環境になっているかどうかを見てみます。高気密高断熱の家だと12畳用のエアコン2台あれば全室快適になっているはずです。
3つ目は使用している断熱材の種類を聞いてみる事でもわかります。高気密高断熱を謳っていて性能を出している会社でグラスウール、ロックウールを使っている会社はないはずです。まずプラスチック系、樹脂系の断熱材を使用しているところが多いでしょう。
性能は施工によっても大きく異なるのですがもともとの性能にかなり差があります。「岡山は温暖な気候だからそこまで高気密高断熱にこだわる事がないのではないか」よく私たちも耳にする言葉です。しかし冬を考えてみると11月~3月ぐらいまでの5ヶ月間は暖房器具を使用されると思います。これに冷房器具もあわせると1年の間で少なくとも3分の2の8ヶ月は冷暖房器具を使っているという事になります。